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クレオール・ビッグ・バンド・ジャズ ミジコペイ

Mizikopéyi  MIZIKOPÉYI CREOLE BIG BAND.jpg

いったいどれくらい、ミジコペイのライヴDVDを観たかなあ。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07
3か月近く毎日観続けたくらいだから、100回はもちろん下らないし、
その後も週末に観返したりしてたから、200回以上は観たかも。

フィナーレの高揚感がたまんないんですよね。
ぼくもここでは立ち上がって、踊りながら画面最後のテロップを追ったものです。
いまでも、トニー・シャスールやバンド・メンバーの所作ひとつひとつが、
脳裏にくっきりと刻み込まれていますよ。
あれほど夢中になったライヴ映像は、シティ・ヌールハリザの
ロイヤル・アルバート・ホールのライヴVCD以来でしたねえ。

で、あの14年のライヴDVD以来となる、ミジコペイの新作であります。
これまでミジコペイのスタジオ作は、
バンドのダイナミズムをうまく封じ込めずにいました。
あれだけ迫力のあるDVDを観てしまった後だけに、不安もあったんですが、
これまでのスタジオ録音のなかでは、一番の出来になったんじゃないでしょうか。

クレオール・ビッグ・バンドの名を冠したタイトル通り、
ビッグ・バンドのジャズ・サウンドを全面に押し出した仕上がりとなっています。
音楽監督のピアニスト、ティエリー・ヴァトンがほとんどの曲をアレンジしていて、
第1トランペットのクリスチャン・マルティネスが2曲でアレンジをしています。
いずれも旧来のビッグ・バンド・スタイルのジャズ・アレンジで、
「スターダスト」なんてレパートリーがどハマリですね。
ここのところ、新世代ジャズのオーケストレーションばかり聴いていたせいか、
昔ながらのビッグ・バンド・アレンジが、かえって新鮮に響きましたよ。

そして今作の目玉は、
これまでオリジナル曲中心だったレパートリーから、がらりと変わった選曲です。
クレオール・ジャズをアイデンティファイするかのように、
カリの大名作‘Racines’ を筆頭に、ユジュヌ・モナの‘Bwa Brilé’、
マリウス・クルティエの‘Laïni’、マリオ・カノンジュの‘Péyi-Mwen Jòdi’ を
取り上げているのが注目されます。
トニー・シャスールが16年に芸歴30周年記念ライヴで披露していた、
アレクサンドル・ステリオの古典ビギン曲‘Gran Tomobil’ は、
初のスタジオ録音となりましたね。

さらにクレオール・ジャズを拡張する視点から、
ハイチのシンガー・ソングライター、ベートーヴァ・オバスの出世作‘Si’ に、
レユニオンのジャズ・ピアニスト、メディ・ジェルヴィルの‘Di Amwin’ という
マルチニーク以外のレパートリーを取り上げた選曲眼には、ウナらされました。
両名ともぼくのごひいきの音楽家ながら、
知名度の低さが悔やまれてならなかっただけに、
ミジコペイが取り上げてくれたのは、嬉しさひとしおです。

Beethova Obas  SI....jpg

それにしても、ヘイシャン・エレガンスの極致ともいえる‘Si’ が
取り上げられるとは、カンゲキです。
思わずひさしぶりに、棚から取り出して聴き返してみましたけれど、
いやあ、これもハイチ音楽の名盤ですね。

Mizikopéyi "CREOLE BIG BAND" Aztec Musique/3M 3M-CM2581 (2018)
Beethova Obas "SI..." Déclic Communication 001-2 (1993)
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