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ジンバブウェ南部の都市ブラワヨから、女性5人組のコーラス・グループが誕生しました。
「慈愛の母」を意味するというグループ名を象徴するかのような、
アフリカ人女性らしい逞しい美しさに溢れた5人の笑顔のジャケットが、とても素敵です。
ジャケット内に載っている、5人が顔を寄せ合う写真もすごく良くって、
てらいのない笑顔を眺めているだけで、幸せな気分にさせられます。
う~ん、こういう女性の笑顔って、いいなあ。

メンバーは全員20歳代。マホテーラ・クイーンズに触発されて始めたグループだそうです。
南部アフリカらしいア・カペラをみずみずしく聞かせるところは、
なるほどマホテーラと共通するものを感じさせますけれど、
ノブントゥの方は若々しさが最大の魅力ですね。

5人のメンバーの自作曲と伝承曲を交えて歌っていて、
ゴスペルの影響をうかがわせる歌詞や、出稼ぎの恋人の帰りを待つラヴ・ソング、
結婚を祝う曲や性的虐待をテーマに取り上げた曲など、
女性の視点からアフリカ社会を見つめた曲が並んでいます。
アルバム・ラストのマラービぽい曲は、南アの曲でしょうか。
クリック音も聞かれるので、ズールー語の歌なのかもしれません。

サウンドの方は、ンバクァンガのようなヘヴィーなものではなく、
ア・カペラ・コーラスを中心に、ギターやパーカッションが
控えめにバックを付けただけのシンプルな構成。
ンビーラをバックに歌う“Mbira Music” では、今年7月に亡くなったチウォニーソの曲
“Iwai Nesu” のフレーズ・パターンが使われていて、思わず胸が熱くなりました。
チウォニーソの早すぎる死を受け止められずにいたところ、
後進の女性たちがチウォニーソの残した音楽をしっかりと受け継いでいるのを知って、
ようやく救われたような気持ちになりました。

このアルバムは、オーストリア、ウィーン在住のジンバブウェ人
ドゥミサニ・ラマドゥ・モヨが06年に興したインディペンデント・レーベル、
テンス・ディストリクト・ミュージックから先月リリースされたものです。
ドゥミサニの故郷ブラワヨに作られたテンス・ディストリクト・スタジオでレコーディングされ、
ミックスとマスタリングはオーストリアで行われています。
ブラワヨで動き出した新たなジンバブウェ音楽のレーベル、要注目ですね。

Nobuntu "THINA" 10th District Music ATS0811 (2013)