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前進を続けるユーカンダンツ

Ukandanz  YEKETELALE.jpg

うお~ぅ、ユーカンダンツ、前進してるなあ。

エチオピア黄金時代のクラシックスを、
変拍子使いのラウドなオルタナ・ロックへ変貌させるという、
ドギモを抜くアイディアで、脳天をブン殴られたデビュー作。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2012-12-27
その衝撃が冷めやらぬ間に来日もしてくれて、
その実力がホンモノであることを、しっかりと確かめられました。

ユーカンダンツの手柄は、黄金期のエチオピア歌謡をオルタナ・ロック化することで、
エチオピア音楽が持つ「臭み」を蘇らせたことにありました。
90年代以降のエチオピアン・ポップが、
フュージョン寄りのサウンドでコンテンポラリー化したことで、
「洗練」を獲得した代わりに、「エグ味」や「臭み」といった
エチオピア音楽唯一無比の個性を手放してしまったからです。

そこにユーカンダンツは、まったく異なるサウンド・アプローチで、
エチオピア歌謡が持っていた、独特の臭みを取り返したのです。
これ、案外気付いていない人が多いというか、
ユーカンダンツのハードコアなサウンドばかりに注目が集まりがちですけれど、
彼らの最大の功績は、
エチオピア歌謡のエグ味の奪還にあったと、ぼくは考えています。

その点で、前作はぼくには不満でした。
バンドのヘヴィーなサウンドに負けじと、
アスナケ・ゲブレイエスが無理に声を張り上げていたからです。
ああ、アスナケは何か勘違いしてるな、と思いました。

デビュー作では、バンドのサウンドがいくら鋭角に歌に切り込んでこようと、
アスナケは自分の唱法を変えずに歌ったからこそ、あの傑作が誕生しました。
シャウトなんかしなくたって、十分なパワフルなヴォーカリストなのに、
ロック・サウンドに無理に合わそうと唱法を変えたことで、
こぶしの妙味が失われてしまったのは、致命傷でした。
今作はそれに気づいたのか、アスナケは本来の唱法に戻って、
存分にメリスマを利かせて歌っています。そうそう、こうでなくっちゃあね。

そして今回は、シンセ・ベースとドラムスのメンバー・チェンジによって、
バンド・サウンドも変化しました。
ファンキーなブレイクなどを使い、ヒップホップのセンスも加味したサウンドとなって、
エレクトロ・ファンクなサウンドも随所にみせています。
ビート・ミュージックのようなセンスもうかがわせ、
前2作にはなかったサウンドが新鮮です。

レパートリーは、今回もテラフン・ゲセセ、マハムド・アハメド、ギルマ・ベイェネなど、
往年の名曲を題材に、思い切り現代化していて、エチオピア歌謡が持っていた芯を
アスナケの卓抜した歌唱力で、再解釈しています。
ラストのマハムド・アハメドが得意とした、グラゲのダンス・ナンバーもサイコーです!

Ukandanz "YEKETELALE" Buda Musique 860332 (2018)
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