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深化したマルチーニョ流アフロ・サンバ マルチーニョ・ダ・ヴィラ

Martinho Da Vila  BANDEIRA DA FÉ.jpg

そして、もう一人の大物サンビスタがマルチーニョ・ダ・ヴィラです。
こちらは正直いうと、モナルコと違って、あまりフォローしていなかったんですよねえ。
70年代はそれこそ思いっきり夢中になった人ですけれど、
80年代以降精彩を欠くようになり、
90年代以降のアルバムはノー・チェック状態でした。申し訳ありませ~ん。

ということで、ぼくにとっては、何十年ぶりのごぶさたのマルチーニョなんですが、
ひさしぶりに聞いてみる気をおこさせた「何か」を予感したのは、当たりましたね。
こういう勘は、ほとんど外れなくなったなあ(ドヤ顔)。
マルチーニョは、70年代にサンバを蘇らせた立役者ですけれど、
あの当時の意欲溢れるサンバが、この新作では完全復活しています。

マルチーニョは伝統サンバといっても、
オーセンティックなエスコーラのサンバだけを歌ってきたわけではありません。
ジョンゴなどアフロ・ブラジル音楽の古層を見据えながら、
フレーヴォやシランダといった北東部音楽を取り入れて、
アフロ・サンバの再構築を試みてきた人です。

新作は、そんな70年代の志に回帰したともいうべき、意欲的な作品となりました。
まず1曲目から、モレイラ・ジ・シルヴァばりのサンバ・ジ・ブレッキですからね。
これまでマルチーニョがサンバ・ジ・ブレッキを歌ったことなんて、あったっけか。
しかも、曲の終わりには、ゼー・ケチの名サンバ
‘A Voz Do Morro’ に接続するという趣向です。

そして70年代のマルチーニョ復活を印象づけるのは、
短調芸術とも称された泣き節のサンバが数多く収められていること。
‘Depois Não Sei’ ‘Não Digo Amém’ ‘Bandeira Da Fé’の3曲がそれで、
70年代の短調サンバの名曲
‘Marejou’ ‘O Caveira’ ‘Claustrofobia’をホウフツさせます。

ほかにも、ファドに挑戦した‘Fado Das Perguntas’、
ラッパーのラッピン・オッドを迎えたサンバ・ラップの‘O Sonho Continua’、
17世紀ブラジルの黒人解放運動最後のリーダー、ズンビをテーマとした、
アフロ・サンバ‘Zumbi Dos Palmares, Zumbi’ という多彩な内容。

息子のトゥニーコと歌ったラスト・トラックの‘Baixou Na Avenida’ では、
フレーヴォからサンバに接続するアレンジでアルバムを締めくくっていて、
80歳にして、この攻めの姿勢はスゴいですよ。
さすがはマルチーニョ、より深みを増したアフロ・サンバに感服しました。

Martinho Da Vila "BANDEIRA DA FÉ" Sony 19075899822 (2018)
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