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アンバセルの女王 マリトゥ・レゲセ

Maritu Legesse  YIGEMASHIRAI.jpg   Maritu Legesse  YEBATI NIGIST.jpg

エチオピア北部ウォロ地方を代表する伝統派歌手、マリトゥ・レゲセの新作が出ました。
ウォロの伝統音楽グループ、ラリベラ・キネットの看板歌手として70年代に活躍し、
ウォロ文化センター設立者の一人にも名を連ねた名歌手です。
高い名声を持つ人ですけれど、アルバムは少なく、これが2作目のはず。

マリトゥが有名になるのは、地元のウォロを離れ、
アムハラ州東部の町デセのナイトクラブ、ワリアで歌うようになってからで、
さらにアディス・アベバへ進出して、
エチオピアを代表する伝統派歌手の一人として目されるようになりました。

エチオピア文化大使としての役割を担ってさまざまな代表団に加わり
アメリカやヨーロッパのツアーも経験しています。
86年には音楽監督テスファイエ・レンマに見いだされ、
テラフン・ゲセセ、マハムード・アハメッドもメンバーだったピ-プル・トゥ・ピープル団に
迎え入れられました。

こうした輝かしい経歴の一方、私生活は幸福ではなかったようで、
12人の子供をもうけながら11人と死別し、
その11人の子供たちの葬式に出席することも許されなかったとのこと。
のちに夫とも離婚し、99年にアメリカへ渡り、
06年に遅すぎる初ソロ作をナホンからリリースしました。

本作はそれ以来の作と思われ、すでにエチオピアに帰国しているようですね。
音域が少し低くなったかなという印象を受けましたけれど、
伸び上がるハイ・トーンのシャープさや、音を伸ばして大きく揺さぶるように
メリスマを利かせる強烈さは、相変わらず。
この大きなメリスマ使いがマリトゥの個性で、
鍛え抜かれたこぶし回しは、圧巻の一語に尽きます。

マリトゥは、ウォロが発祥の地とされる
エチオピア音階のアンバセルを使った曲を得意としていて、
「アンバセルの女王」の異名を持っています。
本作のハイライトが6曲目の、そのものずばりのタイトル‘Ambassel’ で、
強烈なメリスマを響かせるマリトゥの絶唱に圧倒されます。

Maritu Legesse "YIGEMASHIRAI" Vocal no number (2018)
Maritu Legesse "YEBATI NIGIST" Nahom NR3537 (2006)
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