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アンゴラ音楽の歴史的名盤、発見! ルイ・ミンガス

Ruy Mingas  MONANGAMBÉ E OUTRAS CANÇÕES ANGOLANAS.jpg

アンゴラの往年のシンガー、ルイ・ミンガスの見覚えのないCDを見つけました。
ポルトガル盤なんですけれど、こ、これって、ひょっとして、70年のデビュー作では?
500円コーナーにあった中古CDを救出して持ち帰り、早速調べてみましたとも、ええ。

ルイ・ミンガスの70年のデビュー作
“ANGOLA CANÇÕES POR RUI MINGAS” と照らし合わせてみると、
A面1曲目“Mu Cinkola” が、“Monangambé” に差替えられています。
ディスコグラフィにあたると、このヴァージョンで77年に再発されたLPがあり、
その再発LPを94年にCD化したものが、これだったんですねえ。

たった2枚しかアルバムを残さなかった、アンゴラ音楽史に残る大物、
ルイ・ミンガスの歴史的名盤、そのデビュー作がCD化されていたとは、
ぜんぜん知りませんでした。大発見です。
95年にCD化された2作目の方は、日本にも入ってきましたけれど、
こちらは日本未入荷じゃないですか。ぼくはまったく見たことがありません。
日本でこのCDの存在を知っている人って、果たしているのかしらん。

ルイ・ミンガスは、アンゴラ音楽の伝説のグループ、ンゴラ・リトモスのメンバーで、
「アンゴラのポピュラー音楽の父」と称されたリセウ・ヴィエイラ・ディアスの甥っ子。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2017-01-15
ルイがリスボンへ留学していた59年、
リセウ・ヴィエイラ・ディアスが逮捕されたのと時を同じくして、高級官僚だった父親も、
植民地政府に批判的だったことから不当逮捕されてしまいます。
ルイが20歳の出来事でした。

学業を終えたルイは、ポルトガルの兵役につき、ギネア=ビサウへ送られます。
そこで62年、アンゴラ解放人民運動(MPLA)の兵士
アントニオ・ジャシントの詞に曲をつけた“Monangambé” を歌い、
これがアンゴラ国内で絶大な人気を呼びました。
独立運動に神経をとがらせていた植民地政府は、この曲の録音を禁じ、
アンゴラ独立目前となる74年まで、レコード化されることはありませんでした。

独立闘争が激しさを増していた70年、ルイはリスボン録音のデビューLPを出します。
“Muxima” をはじめとするンゴラ・リトモスのレパートリーを多く取り上げる一方、
そこに“Monangambé” を収められることはありませんでした。
そして73年、2作目の“TEMAS ANGOLANOS” を出します。

Ruy Mingas  TEMAS ANGOLANOS.jpg

ルイはこの2作しか制作しませんでしたが、
“Monangambé” は、74年にリリースされた4曲入りEPに収録されて世に出ました。

独立闘争時代を象徴する記念碑的な曲となった“Monangambé” は、
ブダから出た名編集盤“ANGOLA 60’S 1956-1970” に収録されています。
ルイは独立を果たしたあと、アンゴラ国歌“Angola Avante!”(進めアンゴラ)も作曲し、
スポーツ大臣、ポルトガル大使などを歴任しました。

暗喩に富んだ歌詞で歌われる、ギター弾き語りの“Monangambé” ばかりでなく、
どの曲もしみじみと哀愁に富んでいて、これがアンゴラ人の琴線に触れるんですね。
ギターの弾き語りを中心に、フルートや男女コーラス、
ディカンザなどのパーカッションが付くというシンプルな伴奏が、
センチメントなメロディを引き立てます。

ボンガとテタ・ランドが共作した名曲“Muadiakimi” のような、
アップ・テンポのダンス・チューンのセンバでさえ、
浮き立つような明るさがなく、深い闇に沈み込んでいくような哀感が漂います。

それは独立闘争で流された血ばかりでなく、
はるかかなたの奴隷貿易時代から、
黒人たちが強いられてきた苦難が生み出した、
拭い難い哀しみが宿されているからと思わずにはおれません。
マルチーニョ・ダ・ヴィラが77年のアフロ回帰作でこの曲をカヴァーしたのも、
そこに宿るディープな黒人性に、共感したからだったのではないでしょうか。

Ruy Mingas "MONANGAMBÉ E OUTRAS CANÇÕES ANGOLANAS" Strauss ST02011010202 (1977)
Ruy Mingas "TEMAS ANGOLANOS" Strauss ST1067 (1973)
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