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トゥアレグのガール・グループ レ・フィーユ・ド・イリガダッド

Les Filles De Illighadad.jpg

エムドゥ・モクタールに続くサヘル・サウンズの新作は、
「イリガダッドの女の子たち」を名乗るニジェールの女性3人組。
イリガダッドって、どこよと思って、グーグルさんに訊いてもわからず、
レーベルの説明によれば、ニジェール中央部のサハラ砂漠の縁にある、
小さな沼地の村とのこと。地図にも載っていない場所で、
もちろん電気も水道もない、トゥアレグの野営地なんでしょうね。

そんなまさしく辺境の地から、イシュマール・スタイルと呼ばれる
エレクトリック・ギターを弾く女性が登場したのだから、たいへんです。
これまで、イシュマール・スタイルのギターといえば、
ティナリウェンやトゥーマストに代表されるとおり、男性ゲリラ兵を象徴する楽器でした。
一方、トゥアレグ女性の音楽といえば、伝統的なティンデを
太鼓(ティンデ)と手拍子で歌うのが、長年の習わしだったのだから、
女性ギタリストが登場したのは、事件といっていいでしょう。

リーダーのギタリスト、ファトゥ・セイディ・ガリは、
ニジェールでワン・アンド・オンリーのトゥアレグ人女性ギタリストだそうで、
ニジェールどころか、マリやアルジェリアにだって、
女性ギタリストなんていないんじゃないかなあ。
ファトゥ・セイディ・ガリは、トゥアレグ女性初のギタリストなんじゃないですかね。

兄が持ってきた、古びた青いアクースティック・ギターを独学で覚えたという
ファトゥ・セイディ・ガリは、従姉妹の歌い手アラムヌ・アクルニとともに、
レ・フィーユ・ド・イリガダッドを結成し、ティンデにイシュマールのギターを取り入れた
独自の音楽を始めたとのこと。ニジェールのトゥアレグ・バンドの先達である
エトラン・フィナタワを範として、彼らの曲を、多くカヴァーしてきたそうです。
今作ではもう一人の従姉妹マリアマ・サラ・アスワンも加わっています。

これまでも、ティナリウェンやタルティットなどの男性バンドで、
女性コーラスが花を添えることはあっても、
女性がメインのガール・グループなのだから、華やかさが違います。
太鼓と手拍子を叩きながら、コーラスやウルレーション(喉声)で囃す
ティンデに絡むギターがなんとも妙味ですね。
シンプルな反復による曲など、いかにもトゥアレグの野営で歌われる
祝い歌を聴くようで、その素朴さにやられます。
現在3人はヨーロッパをツアー中です。

最後に苦言を。
サヘル・サウンズのCDは、毎度のことなんですが、
曲名しか載せないというのは、どういう制作態度なんですかね。
バンドキャンプに載っているテキストぐらい、ジャケットに印刷しておけばいいものを、
メンバーの名前や担当楽器という、最低限の基礎情報すら載せないっていうのは、
音楽家に対して、あまりに礼儀を欠いていませんかね。
レーベル主宰者でプロデューサーのクリストファー・カークリーに、
今度フェイスブックのメッセージで、文句言っとこう。

Les Filles De Illighadad "EGHASS MALAN" Sahel Sounds SS044 (2017)
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