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レバノンの国民的大歌手 ジュリア・ブトロス

Julia Boutros  HKAYET WATAN.jpg

12年作“YAWMAN MA” から、
少し距離を感じるようになった、レバノンの歌姫ジュリア・ブトロス。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2012-04-07

戦争で引き裂かれた祖国を歌ったという新作に、聴く前から少し戸惑いをおぼえつつ、
どうか勇ましく歌ったりしていませんようにと、祈るような思いでCDをトレイにセットしました。
新作もまたプラハ市交響楽団を従えていますが、
ことさらゴージャスに演奏を飾ることなく、要所要所を抑えた控えめな伴奏で、
ジュリアの祖国レバノンへの思いや哀しみを、静かに引き立てています。

心配したような、勇ましい歌いぶりや怒りに満ちた歌は、今回聞かれません。
かつてのあでやかさも哀しみの中に溶け込んで、澄みきった歌声に昇華されたのを感じます。
もはや<せつな系>のシンガーといった、
女性歌手へ与えられるセクシャルなイメージとは、
遠い地平に立つ歌手へと成長を遂げたのを感じます。
それはまさに、国民的な大歌手となった証しでもあるのでしょう。

今回も全9曲わずか34分という短さの作品。
そこには、「くどくど言う必要などない」というメッセージが込められているかのようにも思えます。
レバノンの大歌手となるだけの責任を引き受けた度量を感じさせる、
ジュリア・ブトロスの充実したアルバムです。

Julia Boutros "HKAYET WATAN" Longwing no number (2014)
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