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MPBで聴くカルトーラとジェラルド・ペレイラ マルシオ・タデウ

Márcio Thadeu  NEGRO CANTO Ⅱ.jpg

45過ぎで初のソロ・アルバムをリリースした遅咲きの男性歌手が、
2作目で挑んだカルトーラとジェラルド・ペレイラのソングブック集。
そう聞けば、これは美味しそうと、触手も伸びようというものでしょう。

ところが、冒頭のボレーロにアレンジした“Acontece” にやや戸惑いました。
シャレオツに仕上げたサウンドは、まあこういうのもありかなと思いましたが、
主役のやたらと淡泊な歌いぶりは、なんだか、ねえ。
人生の酸いも甘いも噛み分けた、カルトーラならではの名旋律を、
特に思い入れもなさそうに、あっけらかんと歌ってみせるのって、なんかちょっとなあ。
情感込めすぎてイヤらしくなるのも困るけど、ここまで味わいがないのも、どんなもんでしょ。

続くジェラルド・ペレイラの“Falsa Baiana” は、ブラシが刻むフォービートで
今様なジャジー・テイストに仕上げているんだけど、う~ん、これまた違うよなあ。
こんなにテンポを遅くしちゃあ、原曲の小粋な雰囲気がなくなっちゃうじゃないの。
マルシオもユーモラスに歌おうとしているのはわかるんだけど、
どこか四角四面ぽい感じがして、サンビスタのセンスじゃありませんね。
なんだか昔のクラブ歌手っていう感じで、いわゆるサンバ・サークルで育った人ではなさそう。

どうも本作は、カルトーラとジェラルド・ペレイラにオマージュを捧げたものではなく、
サンバ名曲をMPBに料理した、軽い企画作と受け取った方がいいみたいですね。
まあ、そう割り切れば、けっして悪いアルバムではなく、二人を知らないフツーの音楽ファンに、
彼らの曲の良さを伝えるのに格好の、シャレたサウンドとなっています。

カルトーラやジェラルド・ペレイラに強い思い入れのあるぼくみたいなファンは、
はじめは抵抗を覚えるかもしれませんが、それも最初のうちだけ。
何度か聴くうちに、主役の歌いぶりも気にならなくなり、
サウンドの心地よさに、すっかりヘヴィー・ローテーショとなってしまいました。
すると冒頭のボレーロなど、マテオ・ストーンマンの傑作“MATEO” ともダブって聞こえたりして。

“Escurinho” と“Escrinha” のメドレーでは
チューバを含むブラスバンドをフィーチャーしていて、
こういうアレンジだと、ジェラルド・ペレイラの下町らしいサンバの粋が生えますね。
なんだかんだ言いながら、ここふた月近く愛聴しているCDなのでした。

Márcio Thadeu "NEGRO CANTO Ⅱ" no label MT2011 (2011)
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