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カリンボーの王様 ヴェレケッチ

Verequete  UIRAPURU CHAMA VEREQUETE.jpg   Verequete  VEREQUETE É O REI.jpg

09年11月に93歳で亡くなったカリンボーの王様、ヴェレケッチの遺作が届きました。
カリンボーは、インディオとポルトガル人入植者と黒人奴隷のダンスがアマゾンでミックスされた、
ブラジル、パラー州を代表する民俗ダンス音楽。
カリンボーをポップ化してブラジル全土に広めた人といえば、ピンドゥーカが有名ですけど、
ブラジルのレコードで「カリンボー」の名を記したのは、
70年のヴェレケッチのデビュー作が最初だったといいます。

ぼくがヴェレケッチを知ったのはだいぶ遅く、07年の“VEREQUETE É O REI” を聴いて、
その野性味あふれるカリンボーにショックを受けたんでした。
これぞホンモノという、迫力満点なヴェレケッチのカリンボーを聴くと、
ピンドゥーカのカリンボーが、いかに一般リスナー向けにお化粧されたものであるかがわかります。

考えてみれば、地方音楽を知らない中央の一般リスナーの耳にも馴染みやすくするため、
ポップ仕立ての化粧が必要とされた時代が、長く続いたものです。
そんな潮目が変わったのは、
90年代半ばのメストリ・アンブロージオの登場がきっかけだったんじゃないでしょうか。
メストリ・アンブロージオはネイティヴなマラカトゥで評判を呼んだわけですけれど、
最近では地方音楽が持つ民俗的な味わいが、
フツーのリスナーにも抵抗なく受け入れられているのを感じます。
薄味に変えたり、甘みを加えたりせずとも、ホンモノが求められる時代が、
ようやくやってきたといえるのかも知れませんね。

オーセンティックなヴェレケッチのカリンボーは、
トライアングルがステデイなリズムを刻み、バンジョーのリズム・カッティングや
太鼓のカリンボーが時折、ドドドッとつんのめるようなリズムを付け加え、ダンスを煽ります。
歌とコーラスに加えて、ソプラノ・サックスがメロディを奏でるんですが、
これがチャルメラみたいな響きで、そのノイジーなサウンドがシビれるんですよねえ。

ぴちぴちと飛び跳ねるようなツービートが、
とにかくイキイキとしていて、そのグルーヴ感は痛快そのもの。
ヴェレケッチの声は、今回の遺作ではだいぶ衰えをみせていますが、
07年作ではコーラスの若いメンバーたちを圧倒する、エネルギッシュな歌声を聞かせていました。

カリンボーのメロディは爽やかな一方、哀愁味にも富んでいて、
「おもしろうてやがて悲しき」といった風情が、胸にグッと響きます。
こういうメロディは異文化がミクスチャーされるからこそ産み出されてくるもので、
歴史の荒波を乗り越えてきた、インディオ・ヨーロッパ人・黒人の汗と涙の結晶を感じさせます。

ヴェレケッチは10枚近くLPを出していたと聞きますが、
リオやサンパウロでは流通せず、地元のベレン中心に売られていたんじゃないでしょうか。
ぜんぜん見たことないですもんねえ。
ドイツのヴェルゴから、02年に“DANCE MUSIC FROM PARA, AMAZONIA” というタイトルの
CDも出ていたようなんですけど、そちらは未聴。
オールド・クンビアのいなたさを愛でるファンにもぜひオススメしたい、ヴェレケッチのカリンボーです。

Verequete "UIRAPURU CHAMA VEREQUETE" NA Music NAFG0047 (2013)
Verequete "VEREQUETE É O REI" NA Music NAFG0010 (2007)
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