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弦の響き 宴の輪 チェオ・ウルタード

20071107 Compadre Pancho.JPG   20071107 Cuatro Arpas Y Un Cuatro.JPG

ベネズエラ最高の弦楽器奏者チェオ・ウルタードを観るのも、これが三度目。
最初はコスタ・カリベとアンサンブル・グルフィーオで来日した91年だから、だいぶ昔のことですね。
94年の来日の時もチケットは買ってあったものの、下の娘が生まれてキャンセルしたんだっけ。
そして二度目に観たのが2007年の秋、今回と同じ東大の駒場キャンパスでした。
先週の土曜日に行われた「弦の響き 宴の輪」というトーク&ミニ・ライヴは、
長年ベネズエラ音楽の普及に尽力され、現在は東大の准教授である石橋純さんによる企画。
考えてみれば、三度とも石橋さんに導かれてチェオ・ウルタードを観れたようなものです。

そもそもアンサンブル・グルフィーオの初アルバムだって、
石橋さんがいたからこそ、日本制作で実現できたんですもんね。
石橋さんは、ベネズエラ都市弦楽の魅力を日本に伝えた恩人といっても過言じゃありません。
とりわけ今回のイヴェントは、石橋さんが地道に続けてこられた日本とベネズエラとの文化交流が、
しっかりと実を結んでいるのを実感できた、とても気持ちのいいイヴェントでした。

今回チェオが引き連れてきたのは、アンサンブル・グルフィーオのような都市弦楽ではなく、
ベネズエラ伝統音楽を幅広く演奏するグループで、
家族や友人が集うパランダという宴を再現するもの。
パランダは、仲間たちと裏庭でサンバを歌う、ブラジルのパゴージと同じようなもののようです。
それを石橋先生の解説で聴くレクチャー・ライヴだったわけですが、
講義を聴くようなお堅いものではなく、
長年の付き合いである先生とチェオならではのリラックスした雰囲気で、
コンサートでは知りえない面白いエピソードもたくさん披露されました。

なかでも傑作だったのが、セレナータの曲の解説で飛び出た、若い頃のチェオの思い出話。
当時チェオが思いを寄せていた彼女の家の前で、一念発起して歌ったにも関わらず、
窓から顔を出したのは彼女ではなく、なんと彼女の母親。
「チェオ、とてもすばらしい歌だけど、娘は彼とデートでまだ家に戻ってないのよ」と言われてしまい、
恋は大失敗に終わってしまったという笑い話。

先生の教え子たちによって結成されたエストゥディアンティーナ駒場が前座で1曲演奏し、
最後にはチェオ・ウルタード・アンサンブルの4人とも共演するばかりでなく、
ぶっつけのセッションで先生が1曲歌ってみせたのも、
東大という場で長年培ってきた日=ベの友情を感じさせる、とても心温まるものでした。
さらに驚いたのは、ゲストで松田美緒さんが登場したこと。
松田さんは昨年のベネズエラ公演でチェオとも共演したんだそうで、
アルゼンチンやウルグアイのミュージシャンとの共演ばかりでない
松田さんのグローバルな活躍ぶりには、舌を巻きます。

チェオのグループは、アンサンブル・グルフィーオの盟友ベーシスト、ダビ・ペーニャに、
チェオの甥っ子であるアブラン・ウルタード(マラカス、クアトロ、バンドーラ、マンドリン)と、
ロベルト・スベロ(クアトロ、バンドーラ、マンドリン)という若者二人を加えた4人組。
チェオの円熟したクアトロ演奏は、もう何をかいわんやの素晴らしさでしたけれど、
今回はギター伴奏で歌もたっぷり披露してくれたのが聴きものでした。

20120630_Roberto Subero.JPG

若手弦楽器奏者のロベルト・スベロも実力十分なプレイを披露していて、
会場で売られていたクアトロのソロ演奏を収めたリーダー作を聴いてみると、
繊細なプレイにきらりとした個性が滲み出る好アルバムとなっていました。
これからチェオたちは、3日亀戸カメリアホール、4日アミュー立川と、
15日まで全国を回るので、ぜひ観に行かれることをおすすめします。

Cheo Hurtado "COMPADRE PANCHO" Producciones Musicarte MS091CD (1993)
Cheo Hurtado "CUATRO ARPAS Y UN CUATRO" CH・H・H Producciones FD25298801 (1998)
Roberto Subero "ENTRE DOS" no label FD0952006951 (2006)
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