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ヨルバの神々を歌う アサビオジェ・アフェナパ

Asabioje Afenapa.JPG

ナイジェリア、ヨルバのポピュラー音楽は、
ジュジュ、ハイライフ、フジ、アパラなどジャンルも多彩なうえ、名盤もたんまりあるのに、
ヨルバの伝統音楽はというと、あまり記憶に残るアルバムがありませんね。
お世話になった民俗音楽のレコードなら、いくつかあるものの、
それはどちらかというと、お勉強用というか研究向きのアルバムで、
愛聴したとはいいがたいものです。

そんなことにあらためて気付かされたのは、
ヨルバの伝統音楽を歌うアサビオジェ・アフェナパという女性歌手を知ったからです。
アサビオジェ・アフェナパの07年作“ISESE L’AGBA” は、
ヨルバの伝統的なバタ・アンサンブルをバックに、女性コーラスを従え、
みずみずしい歌声で歌っていて、目の覚めるようなフレッシュさを味あわせてくれました。

一聴して連想したのが、コロンビアのトトー・ラ・モンポシーナ。
民俗色あふれる打楽器アンサンブルをバックに、
華のある歌声で歌うところが、とてもよく似ています。
歌と演奏のフォーマットは、民俗音楽そのものなのに、
ポピュラー音楽のような親しみが溢れているところは、トトーとそっくりです。

いったいどんな人なのかと調べてみたら、
74年、ヨルバランド内陸の都市イバダンに生まれ、
親はエグングン司祭という、ヨルバの伝統宗教どっぷりの家庭環境で育った人なんですね。
8歳からイバダン文化センターで歌い、
18歳でオヨ州の代表として国立フェスティバルに出場したのを皮切りにキャリアを積み、
95年から自身のグループを率い、02年に“ESO NI IRE” でデビューしたそうです。
翌03年にセカンド作“ASABI SAGBAJA” を出し、
07年6月にはパリやベネズエラほかの欧米ツアーを行い、
ヨルバの伝統音楽を海外に紹介しています。

アサビオジェ・アフェナパの3作目にあたる“ISESE L’AGBA” は
イファ、オシュン、シャンゴ、オヤ、イェモジャ、オグン、オボニ、エグングンという、
ヨルバの8人の神様(オリシャ)に捧げた曲を歌っています。
ヨルバの神々に捧げる歌とリズムというと、
ミルトン・カルドーナの“BEMBE” を思い出すファンもいるかもしれませんね。
サンテリーアは海を渡ったヨルバの宗教音楽ですから、こちらが本家本元ともいえます。

彼女のYouTubeを観ると、3台のバタ・アンサンブルが伴奏を務めていて、
大型のイヤ・イル、中型のオメレ、3本の小型の太鼓を紐で縛ったクディが使われています。
トーキング・ドラムは使われていないので、
フジやアパラのようなパーカッション・アンサンブルの妙味は味わえませんが、
なによりアサビオジェの歌声が、音楽をとびっきり豊かにしているんですね。
ナイジェリアやガーナの伝統音楽や宗教音楽のレコードというと、
退屈なものが多いんですけど、これは飛び抜けた例外的傑作です。

Asabioje Afenapa "ISESE L’AGBA" Okanran-Onile no number (2007)
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