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ショーロとフレーヴォのあるジャズ ヴィトール・ゴンサルヴィス

Vitor Goncalves Quartet.jpg

あ、あれ? このメロディ、なんだっけ。え~と、有名なショーロ曲だよねぇ。
あ、そうだ、ガロートの“Desvairada” だ。

え? それなのに自作曲とクレジットしてる? 何だそれ、けしからんやつだな。
あれ? でもこれ、変拍子じゃないの。
原曲は3拍子のヴァルサなのに、これは9拍子だぞ。
ほー、こりゃなんとも、ブラジルのジャズ・ミュージシャンらしい気の利いた解釈だなあ。
だから、タイトルもヒネリを加えて“Desleixada” として、自作曲としたわけか。
こりゃ、一本取られたなあ。

ブラジルの若手ジャズ・ピアニストのデビュー作を聴いていて、驚かされました。
おそらくこのアルバムを手に取るジャズ・ファンで、
4曲目に注目する人はいないだろうけど、
ブラジル音楽ファンなら、このガロートのショーロや、
バーデン・パウエルの“Samba Do Perdão” の解釈の斬新さは、瞠目するはず。

レシーフェで現在最高のフレーヴォ楽団スポック・フレーヴォ・オーケストラのために、
ヴィトールが書き下ろしたという、フレーヴォの“De Cazadero Ao Recife” も痛快。
これは、ぜったいブラジル人にしか書けない曲だよねえ。
音符が飛び跳ねるような運指も鮮やかなら、
最後の1音を、ピアニッシモで終わるところも、めちゃめちゃ粋です。

ジョビンの“Se É Por Falta De Adeus” もやってるけど、
これは独自の解釈はなく、ただ美しく演奏してるだけ。それが物足りなく覚えるほどだから、
このピアニスト、才能ありますねえ。変拍子を多用するところも、好みだなあ。
リリシズム溢れる自作曲だけだったら、
ECM周辺でもてはやされる最近のジャズと変わらず、
大して感心しなかったでしょうが、
ショーロとフレーヴォのあるジャズとなれば、支持せずにはおれませんよ。

Vitor Gonçalves Quartet "VITOR GONÇALVES QUARTET" Sunnyside SSC1462 (2017)
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