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ポップに進化したイムザード

Imzad  TARHA.jpg   Imzad  IMZAD.jpg

昨年、ライ歌手のカデール・ジャポネの新作に登場して驚かされた
アルジェリアのトゥアレグ人バンド、イムザードの近作2枚が手に入りました。
コンテンポラリーなセンスを発揮しながらも、トゥアレグらしいブルージーな感覚を
しっかりと背骨にしているところが、信頼に足るバンドです。
過去2作を取り上げた記事がこちら。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2013-08-30
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2014-07-28

14年作は前2作に比べると、幾分渋い仕上がりといえるでしょうか。
ミディアム・テンポのゆったりとした曲調が並んでいて、
全体に落ち着いたトーンになっているのが印象的です。
コンテンポラリーなセンスも今作は抑え気味で、
レゲエ・アレンジの“Adewagh Ad Mezwane” で、
控えめながらオルガンを導入したのが、ゆいいつの新機軸かな。

感情を表に出さず淡々と歌うアナスラム・エル・ハッサンと、
キレよく解き放つような歌いっぷりを聞かせるダナ・ベイという、
個性の異なるヴォーカリストの対比がこのバンドの妙味なら、
グルーヴィーなラインを弾くベーシストは今回もうなりをあげていて、
耳をひきつけられます。

ところが15年作では、がらりとサウンドを変えてきましたね。
手拍子に女声のウルレーションも華やかなアップテンポの曲でスタートして、
祝祭感を演出するかと思えば、続く2曲目では、初めてシンセサイザーが登場。
さらにはサックスを起用した曲もあり、従来とは大きくサウンド・イメージを変え、
前作の渋さから一転、ポップ感覚を強めたサウンドに仕上げています。

驚かされたのは、ツイストにアレンジした“Bess Essanagh”。
へー、カッコいいじゃない! ツイスト・ブルース・ロックだね、こりゃ。
このリズム・センスは新鮮で、ヤられました。

一方で、バンド名であり、今回のジャケットにも写っている
トゥアレグ女性の楽器イムザードも初登場しています。
これまでこのバンドの不思議だったんですが、イムザードを名乗りながら、
なぜかこれまでこの楽器をまったく使っていなかったんですけど、ついに来ましたねえ。
アルバム・タイトルともなっている曲名もすばりな“Imzad” の冒頭で、
メンバーたちがドローンのようなチャントを唸るなか、イムザードがフィーチャーされ、
まるでトゥアレグ女性のティンデが始まるかのようなイントロを聞かせます。

ほかにも、葦笛を使ったり、ヴァイオリンをフィーチャーしたりと、
随所にこれまでなかった新機軸のサウンド・メイキングをあちこちに施していて、
このバンドがポップに進化を遂げたことを、強くアピールしています。 

Imzad "TARHA" Padidou CD612 (2014)
Imzad "IMZAD" Padidou CD795 (2015)
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