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ロッキン・バラフォン カナゾエ・オルケストラ

Kanazoé Orkestra  MIRIYA.jpg

フランスではバラフォンがきてるのか?
その名もバラフォニックスという、バラフォンをフィーチャーした
白人のアフロ・ファンク・バンドが登場したと思ったら、
今度はトゥールーズから、バラフォンが主役の
アフリカ/ヨーロッパ混成バンドのデビュー作が届きました。

ブルキナ・ファソ、ボボ=ディウラッソ近郊の村に生まれたバラフォン奏者の
セイドゥー“カナゾエ”ジャバテ率いる、カナゾエ・オルケストラです。
カナゾエの脇を固めるのが、マルチ・インストゥルメンタリストで、
ンゴニ、コラ、フラニの笛、ジェンベを演奏するママドゥ・デンベレと、
歌手のザキー・ジャラで、二人ともバラフォンを演奏し、
カナゾエとバラフォンの二重奏・三重奏を繰り広げています。
カナゾエはジュラ、ザキーはブワと民族は違いますが、3人ともグリオの出身者。
そして、ベース、ドラムス、パーカッション、サックスの4人がフランス白人です。

いやあ、アレンジがカッコえぇ~♪
思えば、80年代末のアフリカン・ポップスにはよくあったよねえ、
こういうキメまくりのリフ・アレンジ。
サリフ・ケイタの『ソロ』や『コヤン』の頃。覚えてます?
なんか、懐かしーなぁ。

エレクトリック・サウンドが主流の時代には、ドラムスとベースのリズム・セクションで、
ロックぽいリフをアレンジに取り入れるのが定石でした。
のちにサウンドがアクースティックに移行すると、ドラムスとベースが後退し、
パーカッションのアンサンブルがリズム・セクションの中心となって、
こういうアレンジは、影を潜めるようになったんでしたっけ。

伝統的なサウンドが前面に出てくると、
ギターやサックスがこういうキメのリフを鳴らすというのは、
なんともわざとらしく、そぐわなくなっちゃいましたもんねえ。
ドラムスとベースによる割り切りのいいビートと違って、
パーカッション・アンサンブルのニュアンス豊かなリズムとキメのリフとは、
相性が良くなかったともいえます。

でも、あらためて、アクースティックなアンサンブルで、
シンプルなベースとドラムスによるリズム・セクションをバックに、
リフやブレイクを要所要所で放つというのは、悪くないですよねえ。
伝統的なメロディの合間に取り入れられるリフが、実に軽快です。

サックスとバラフォンがユニゾンで長いリフを演奏したり、
ドラムスとパーカッションも加わってバンド全員がブレイクをきめたりするほか、
曲中にリズムが何度もチェンジするなど、リズム・アレンジがよく練られています。
80年代マンデ・ポップの再構築といった感がありますね。

シンセサイザーのような鍵盤系楽器は不在なので、80年代末のサウンドとは当然違って、
当時よくあったリフを多用したアレンジとはいえ、古臭さはありません。
特に成功の鍵となっているのは、サックスがジャズぽいフレーズを慎重に避けていることかな。
サックス奏者はジャズ・フィールドの出身と思われ、ちらりとジャズぽいフレーズも吹くんですけど、
アフリカ音楽をよく理解して、ジャズぽくならないように配慮しているようで、喝采もんです。

ごりごりの伝統メロディに、グリオ臭い歌、
そしてコロコロとよく歌うバラフォンのアンサンブル。
こういうサウンドに、ジャズの語法を持ちこんじゃいけませんよね。
ここは、ロッキンなサウンドが一番お似合いで、
だからこそリフやブレイクの多用が痛快な好アルバムです。

Kanazoé Orkestra "MIRIYA" Buda Musique 5722899 (2016)
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