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真夏の白昼夢 トゥティ・マルヤティ

Tuti Maryati  ELEGI SANG BIDADARI.jpg

まるで白昼夢を見るかのよう。
トゥティ・マルヤティの歌声に、身も心も蕩けます。
なんて清らかな歌声なんでしょう。
それでいて、情けの深さが伝わる丁寧なこぶし回しに、もう身悶えるほかありません。

13年の正調クロンチョン・アルバム以来の新作。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2013-06-21
今回は、いわゆるポップ・クロンチョンのアルバムです。
でも「ポップ」という軽い語感がなんかそぐわなくって、
歌謡クロンチョンと呼ぶのがふさわしいな。

現役世代の作曲家たちが新たに作った曲ばかりなんですが、
それを正調クロンチョンのアスリであったり、ランガムであったり、スタンブルであったりと、
それぞれ伝統的なスタイルで作られているところが、いやぁ、美しいですねえ。
伝統をただ保存するのではなく、このように現代の音楽として更新していく姿は、
歴史ある音楽の継承のあり方として、理想形といえるんじゃないかな。
インドネシア大衆文化の懐の深さをおぼえます。

それにしても、トゥティの歌のうまさには、本当に舌を巻きます。
あの名歌手ヘティ・クース・エンダンさえも凌ごうかという素晴らしさですよ。
いつもアルバムごとに歌い口を変え、
曲の持ち味にもっともふさわしい歌唱で歌い分ける柔軟さにウナらされます。

真夏の避暑向けに、これはうってつけですね。
あ、でも、午睡用には向きません。
デリケートなトゥティの歌声に引き込まれ、
息づかいのひとつも聴き逃すまいと、耳を澄ましてしまうので、
眠るような余裕は露ほどもありません。

Tuti Maryati "ELEGI SANG BIDADARI" Gema Nada Pertiwi CMNP434 (2015)
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