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バハマのレイクン=スクレイプ

BAHAMIAN RAKE-N-SCRAPE.jpg

バハマの音楽といえば、ナッソーのダウンタウンで、
12月26日のボクシング・デーと元日に開催されるパレード音楽、ジャンカヌーが有名ですね。
90年代にバハメンが、ポップ化したジャンカヌーを、ロンドンから世界に広めました。
このほかバハマには、レイクン=スクレイプと呼ばれる音楽があるんですが、
おそらく世界初といえる本格的なレイクン=スクレイプのアルバムが、
スミソニアン・フォークウェイズからカスタムCD仕様でリリースされました。

これは、とっても貴重なアルバムですよ。
なんせバハマ音楽といえば、世界有数の観光地という土地柄のせいか、
観光客目当ての商業的なグンベイはたくさん録音が残っているものの、
こういう伝統音楽がオーセンティックな姿のまま録音され世に出されることは、
ほぼ皆無でしたからねえ。

レイクン=スクレイプの起源は、
バハマ諸島の南に位置するイギリス領のタークス・カイコス諸島にあり、
タークス・カイコス諸島からバハマ諸島のキャット島に渡ってきた移民たちが、
20~40年代にレイクン=スクレイプとして育んだと言われています。
発祥のタークス・カイコス諸島ではリップ=ソウと呼ばれ、
イギリス領ヴァージン諸島ではフンギ、ドミニカ国ではジン・ピンと呼ばれていますが、
もっとも盛んなのはキャット島のレイクン=スクレイプでした。

スクレイプの語源であり、発祥の地でずばりソウと名付けられているとおり、
ノコギリがスクレイパーとして使われ、太鼓のグンベイとコンサーティーナの3人編成が
この音楽の最小単位。グンベイの代わりにドラムスが使われ、
ボックス・ギターやトライアングルが加わる編成もあります。

このアルバムで演奏している2つの両グループともが、3人の最小編成。
主なレパートリーがバハマ式のカドリールやポルカ、ワルツであることからもわかるように、
この音楽はまさしくカリブ海で産み落とされたクレオール・ミュージックです。
楽器編成そのものが、アフリカとヨーロッパのミクスチャーですよね。

スクレイパーが刻むリズムが特徴のカリブ音楽といえば、メレンゲがすぐ思い浮かびますけど、
ほかにも同じクレオール・ミュージックとして、カーボ・ヴェルデのフナナーもあります。
いずれも楽器編成が似ているものの、リズムがそれぞれ違うところが面白いですね。
スクレイパーがベーシックなリズム・パターンを刻むところは、3者とも共通しているんですけれど、
そこに絡んでくる太鼓のリズム・パターンがそれぞれに違うんですね。

メレンゲのように前のめりのドドドッと突っ込んでくる感覚がレイクン=スクレイプにはなく、
同じツー・ビートでも、タメの利いたリズムを聞かせます。
太鼓のグンベイがウラを取るところに、特徴を感じます。
歌なしの演奏で聞かせる前半のグループ、歌ありの後半グループと、
純度の高い快活なバハマ音楽をたっぷりと味わえます。

なお、本作はカスタム仕様のため、ライナーノーツは添付用紙でサイトにアクセスして、
PDFを入手するようになっています。
24ページのPDFライナーノーツは、さすがにスミソニアン・フォークウェイズ、大充実。
CDのライナーノーツを読むのが苦行なお年頃には、
液晶画面で読めるPDFが嬉しいっす。

Ophie & Da Websites and Bo Hog & Da Rooters "BAHAMIAN RAKE-N-SCRAPE" Smithonian Folkways SFWCD50406 (2016)
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