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マイ・ベスト・アルバム 2015

Mizikopeyi  LIVE.jpg   Ronald Tulle  RAISING.jpg
20150731_Mad-Kab-At-AshGate.jpg   Shaun Martin.jpg
Sherwood Fleming Dynaflow.jpg   Elisabet Teshome.jpg
Faada Freddy  GOSPEL JOURNEY.jpg   Seu Jorge Musicas Para Churrasco 2.jpg
Lệ Quyên KHÚC TÌNH XƯA 3  ĐÊM TÂM SỰ.jpg   May Thet Htar Swe  KAUNG CHIN MINGALAR.jpg

[DVD] Mizikopéyi “LIVE” Association 3.M. 3M-11201421
Ronald Tulle “RAISING” Cysta Management CM007-02
Mad-Kab-At-AshGate 「FUNNY BLUE」 アカオ AR001
Shaun Martin “7 SUMMERS” Ropeadope/Shunwun Music no number
Sherwood Fleming “BLUES BLUES BLUES” Dynaflow DF0002
Elisabet Teshome “KALE KIDAN TERESTO” Evangadi Productions no number
Faada Freddy “GOSPEL JOURNEY” Think Zik! 849.A022.022
Seu Jorge “MUSICAS PARA CHURRASCO Ⅱ” Cafuné 060254702365
Lệ Quyên “KHÚC TÌNH XƯA 3 : ĐÊM TÂM SỰ” Viettan Studio no number
May Thet Htar Swe “KAUNG CHIN MINGALAR” Rai no number

新作、リイシュー、収穫と、三拍子揃って大豊作の一年でした。
定年を迎え、大きな責任から解き放たれ、
すがすがしく毎日を過ごせるようになったおかげか、
音楽をますます愉しめるようになった年の瀬です。
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サハラに沈むジャズ・ハウス サン・ジェルマン

St Germain  ST GERMAIN.jpg

フレンチ・タッチ/ジャズ・ハウスのプロデューサー、
サン・ジェルマンことルドウィック・ナヴァーレの新作。
00年の大ヒット作“TOURIST” 以降、すごいごぶさた~と思ったら、
じっさいあれ以来の作なんだって。15年ぶりになるわけか。
クラブ・ミュージックのコーナーなんて、普段チェックもしないくせに、
こういう自分向きの作品とは、ちゃんと出会えるという不思議さ。
長くレコードと付き合っていると、相手から呼ばれるのを感じます。

ライナーには、砂に埋もれるルドウィック・ナヴァーレの3Dマスクが。
砂からかろうじて見せる顔の輪郭がアフリカ大陸を表すように、
新作はアフリカの音楽家たちと共演したアルバムとなっています。
クラブ・ミュージックとアフリカ音楽の関係でいうと、ディープ・ハウスの連中が作る、
「アフロ」だとか「トライバル」を冠したデタラメなまがいモノに、
ずいぶんウンザリさせられてきたものですけれど、
ナヴァーレはアフリカ音楽に理解があるようですね。

砂まみれのナヴァーレの顔がサハラ砂漠を暗示するように、
トゥアレグ、ソンガイ、プールなど、
近年注目を浴びる非マンデ系のマリ音楽にフォーカスを当てています。
1曲目からンゴニ、バラフォン、コラに絡むブルージーな歌に、
「ディープ・ハウス・ミーツ・デザート・ブルース」かと思いきや、
ライトニン・ホプキンスの“You Caused My Heart To Weep” をサンプルしていると知り、仰天。
ナヴァーレ、やるなあ。このアイディアには、ウナらされました。

在フランスのマリ人ミュージシャンばかりでなく、
ズマナ・テレタ(ソク)、アダマ・クリバリ(カマレ・ンゴニ)といった、
当代マリの一流ミュージシャンを起用しているところも嬉しいし、
声がだいぶ荒れてしまったとはいえ、ナハワ・ドゥンビアの歌には、グッときましたね。
こうしたマリのミュージシャンたちの人選を、コーディネーターの手を借りることなく、
ナヴァーレ自身がやったのだとしたら、相当なマリ音楽通といえますよ。

浮遊するハウス・ビートや、洗練されたクロスオーヴァー・サウンドは、
従来からのナヴァーレのジャズ・ハウスの作法にのっとったもの。
クールなサウンドに沈む砂漠のブルースは、冬のパリの冷気を伝えます。

St Germain "ST GERMAIN" Primary Socoety/Parlophone/Warner Music France 0825646122011 (2015)
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タイ仏教歌謡のアイドル・デュオ ウタイラット・グートスワン&チャンチラー・ラーチャクルー

Utairat Kerdsuwan & Janjira Rachkru.jpg

まだ10代にも見える女の子二人が歌うのは、
ルークトゥンでもなければモーラムでもなく、なんと仏教歌謡のレーですよ!
ついにレーにも、アイドルの波がやってきたってことか。
ルックスこそアイドルみたいですけど、歌唱力は驚くべき高さですからね。

ミャンマーのメーテッタースウェといい、最近東南アジアに仏教歌謡がきてますねえ。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-10-11
タイのレーもここのところ、ジプシー・シーサコーン、ジョムクワン・カンヤーと、
立て続けに女性歌手の良作が続いていたし。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-07-09
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-11-20

で、この新人デュオのアルバムなんですが、
ぼくもようやくこの音楽の聴きどころが、ようやくわかってきたみたい。
というのも、これが5年前だったら、「単調な繰り返しばかりで退屈!」なんて、
一刀両断してた気がするんですよね。

ワン・コードのメロディはすごい単調だし、プロダクションも低予算ルークトゥン仕様。
曲の始まりにシンセがピーヒャラとやすっぽい音色を鳴らすほかは、
ピンがうねうねと反復フレーズをひたすら繰り返すのみ。
なので、二人の歌の掛け合い以外、聴きどころはまるでないわけなんですけれど、
二人のコブシ回しが絶妙すぎて、ぜんぜん退屈しないんですよ。
あ、でも、レーをまったく聴いたことがない人には、おすすめしませんけどね。

これがワイポットあたりのヴェテランだったら、歌唱が円熟しているあまりに、
このプロダクションでは退屈しちゃうと思うんですよね。
やっぱり、若いって、それだけで素晴らしい才能なんだよなあ。
一所懸命に歌う姿に、聴き手の背も伸びるというか、それだけで十分惹きつけられます。

Utairat Kerdsuwan & Janjira Rachkru "SOMBAT THAI" NVK Group NVKCD214 (2015)
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1200回目のクリスマス・イヴ

19960714_山内雄喜.jpg   19960714_山内雄喜(Back).jpg

気がついてみると、もう1200回目の記事になるんですね。
エントリ数を意識していなかったので、1000回目も知らぬまに過ぎてしまいましたが、
57回目の誕生日を明日に控えたクリスマス・イヴに、
ブログのアニヴァーサリーを迎えられるのは、ちょっと嬉しい気持ちがします。

軽い気持ちでうっかり始めてしまった、1回目の2009年6月2日。
それから一日おきの更新を1度も休むことなく、6年半続けてきたこと自体は、
なんでも始めると長続きする性分なので、さしたる感慨もないんですが、
3.11で驚天動地となった本業のかたわら、
このブログを続けてこれたことについては、いろいろと思うところもあります。

それは、自分が心から愛する音楽を「書く」という行為が、
自分と向き合う大事な作業となっているのを、あらためて確認できたことです。
ブログを始める前までは、非公開の日記こそが自分と向き合う作業だと思っていましたけれど、
読み手を強く意識したブログの方が、自分自身と深く対話していることに気づいたんですね。

日記は、感情のおもむくままに書き散らすだけの、ハキダメみたいなところがあって、
決して人に見せることのない安心感が、オノレの醜悪を露骨に示してもいて、
後で読むと、恥ずかしいを通り越して、自己嫌悪に陥ることもあるんですよねえ。
でも、日記にはセルフ・カウンセリングみたいな役目もあるから、
これはこれで、自分にとっては大切なものなんですけれども。

「ディスク・ハンティング」というレコードの購入記録も、
備忘録として、もう四半世紀以上書き続けているんですが、
こちらも日記と同じで、放言を炸裂させてるものだから、
とても人さまにお見せできるようなシロモノじゃありません。
その昔、ごく親しい友人だけに、メルマガとして公開していた時期もありましたが、
ブログを始めたのを機に、日記同様非公開に戻して、
思いの丈(毒?)を吐き出したい時は、こちらに書くようにしています。

日記52年、ディスク・ハンティング26年、ブログ6年、フェイスブック4年。
新旧付き合いの長さはそれぞれですけれど、うまいこと棲み分けされているようで、
忙しかろうが、時間がなかろうが、これからも続いていくみたいです。
書くことは、ぼくにとって生きること、そのものになっています。

1200回目は、山内雄喜さんの『ハワイアン・クリスマス』をBGMに書きました。
このブログが、お読みいただいているみなさんの音楽生活に役立ちますよう。
今日も読みに来ていただいて、ありがとうございます。

山内雄喜 「HAWAIIAN CHRISTMAS」 リスペクト RES3 (1995)
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1995年10月20日ヘルシンキにて マイケル・ブレッカー

UMO Jazz Orchestra with Michael Brecker.jpg

自慢することじゃありませんけど、
マイケル・ブレッカーのソロ・アルバムは、1枚も手元に残っていません。
ブレッカー・ブラザーズ・バンドの時代から、ずっと聴いてきた人なんですけれども、ねえ。
その昔、買ってはがっかりして売り、その後も買っては売りを繰り返し、
いつの頃からか、もうリーダー作は持ってなくていいやと諦めちゃいました。

87年に遅すぎる初リーダー作が出た時は、
期待が大きすぎて、落胆も激しかったもんです。
EWI(ウインド・シンセサイザー)を吹いてたのも、いけなかったよなあ。
ぼくはあの楽器が大嫌いなんですよ。
この世から無くなって欲しいとさえ思ってますからね、いや、ホントに。

一時代を築いたサックス奏者でありながら、
ソロ・アルバムはパッとしなかった人でしたよねえ。
まるで機械が吹いてんじゃないかと思わせるメカニカルなプレイは、
すげぇーというオドロキ半分、反発半分であったことも確かなんですが、
そんな批判さえネジ伏せてしまう超弩級のプレイは、有無を言わせぬ迫力がありました。

ブレッカー・ブラザーズ・バンドやステップスでの活躍、
ジョニ・ミッチェルの『シャドウズ・アンド・ライト』をはじめ、
サイドメンとして数限りない名演は、70~80年代に集中していました。
90年代後半に、保守的なアクースティック・ジャズをやり始めた頃は、
マイケル・ブレッカーの存在理由を感じられず、
ぼくにとってはもう過去の人になっていたんですが、
そんな頃に録音されていた未発表ライヴに、心躍らされました。

それが本作、95年10月20日、ヘルシンキのロイヤル・コットン・クラブで収録された、
フィンランドの名門ビッグ・バンド、ウモ・ジャズ・オーケストラとの共演ライヴです。
80年代をホウフツとさせるパワフルなプレイに、
これ、これ、これですよと、思わず膝を打っちゃいました。

ホレス・シルヴァーからヴィンス・メンドーサに至る新旧ハードバップに、
マイケル自作のファンクやバラードという色とりどりのレパートリーを、
マイケル・ブレッカー印のシーツ・オヴ・サウンドで、たっぷりと料理してくれています。
いやあ、生前にこういうリーダー・アルバムを残して欲しかったよなあ。

ハイライトは、マイケルをアイドルとしていた24歳の若きメンバー、マヌエル・ドゥンケルが、
憧れのマイケルとソロ・バトルを繰り広げた“Ginare”。
マイケル本人を前に、マイケルのテクニックを駆使して、負けじと対抗しています。
あれ?今のソロはどっちだ?とわからなくなるほどマイケルそっくりで、
スリリングなソロ・リレーは聴きごたえたっぷりです。

マイケル・ブレッカーとビッグバンドの相性の良さもバツグンの本作、
フィンランド国営放送YLEのアーカイヴ・ソースを採用し、録音も申し分のない傑作ライヴです。

UMO Jazz Orchestra with Michael Brecker "LIVE IN HELSINKI 1995" Random Act RAR1018CD
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白いボラ・デ・ニエベ ビセンテ・ガリード

Vicente Garrido  50 AÑOS CON LA MÚSICA.jpg

素晴らしいピアノの弾き語りに、身体の力が抜けました。
この味わい深さは、そうそうあるもんじゃありません。格別です。
メキシコで「モダン・ボレーロの父」と呼ばれた作曲家のビセンテ・ガリード。
95年にリリースされたピアノ弾き語りアルバムを手に入れたんですが、
一聴で、魂を持っていかれました。

職業歌手ではない、作者だからこそ醸し出せる、滋味溢れる歌の数々。
24年生まれというのだから、録音当時70歳過ぎのはずですけれど、
青年のような初々しさが残る歌の表情は、どうでしょう。
モダン・ボレーロというより、フィーリンといって構わないんじゃないでしょうか。

じっさいこの弾き語りアルバムは、キューバのエグレム・スタジオで録音され、
音楽監督はなんとあのマルタ・バルデースだそうです。
ご存じフィーリンを代表する、あの女性歌手ですよ。
いやあ、こんなアルバムがあるなんて、ぜんぜん知らなかったなあ。
流通事情の悪いメキシコ盤ゆえでしょうか、もったいないですねえ。

ホセー・アントニオ・メンデス、ビルヒニア・ロペス、ナット・キング・コール、ルイス・ミゲルといった、
数多くの名作を残してきた歌手たちが歌ったビセンテの代表曲の数々が、
今作られたばかりかのような、みずみずしさで歌われているんです。
ヴェテランの手練れがみじんもなく、音楽に向かうピュアな姿勢に胸打たれます。
これ、すごいことですよ。

親しみやすさと優雅さと格調高さが絶妙なバランスを保つ
デリケイトなビセンテの歌い口が、たまりません。
「白いボラ・デ・ニエベ」、そんなイメージが脳裏から離れなくなりました。

Vicente Garrido, Arturo Xavier González.jpg

もう1枚、メキシコのチェロのマエストロで、ビセンテと1歳違いという、
23年生まれのアルトゥーロ・シャビエル・ゴンサーレスとのデュオ作も買ったんですが、
こちらは演奏のみのビセンテの名曲集。いつの録音かわからないんですが、
アルトゥーロ・シャビエル・ゴンサーレスは81年に亡くなっているので、70年代録音でしょうか。
これも優雅で素晴らしく、弾き語り集に続けて愛聴しています。

Vicente Garrido "50 AÑOS CON LA MÚSICA" Editiones Pentagrama PCD242 (1995)
Vicente Garrido, Arturo Xavier González "VICENTE GARRIDO - ARTURO XAVIER GONZÁLEZ" Editiones Pentagrama APCD507
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伝統ソマリ・ポップの名盤 ワーベリ

Waaberi New Dawn.jpg

黄金時代のソマリ音楽のLPやEPは、いっこうに復刻されず、
CD時代になっても、ソマリ音楽が世界から注目されることはありませんでした。
ソマリ・ポップは、アフリカ音楽ファンにすら、長い間知られぬ存在だったのです。

内戦によってカナダや北欧諸国へ逃れたソマリア人移民社会の間で、
ほそぼそと自主制作CDが制作されていたものの、それを知る人は皆無でした。
そうした知られざるソマリ・ポップを日本で初めて紹介したのが、
手前味噌ながら、6年前の拙著『ポップ・アフリカ700』でしたけれど、
反応を示した人は、残念ながらいませんでしたね。

ゆいいつ、刊行時に作ったサンプラーに、
マハメード・K・クーシンの“Caashaqa Ma Baran” を収録したところ、
ピーター・バラカンさんがとても気に入られ、ほかにも何人かから熱い反響をいただいたので、
音源を聴くチャンスさえあれば、ファンは増えるものと確信はしたんですけれどもね。

その後、ソマリ移民コミュニティではMP3が主流になってしまい、
増補改訂した『ポップ・アフリカ800』でも、ソマリアの項は『700』と同じ6枚を選んでいますが、
いずれのベスト50選にも選んだのが、リアル・ワールドからリリースされたワーベリです。
伝統ソマリ・ポップのカラーミを味わうには、これ以上ないといってもいいほどの名盤で、
ミュージック・マガジン増刊『定盤1000』にも選びました。

本作は、世界に紹介された初のソマリ・ポップでありながら、
めちゃくちゃ不遇な扱いを受けてきたんですよね。
当時日本盤も出なかったし、廃盤になったあと、再発のセレクションからも漏れてしまいました。
だいたいこのCDを名盤として挙げるのなんて、ぼくくらいなもので、
どのガイドブックでも、無視され続けたアルバムなのです。

その理由は、明々白々。
ワーベリの歌手、マリアム・マルサルのソロ作“THE JOURNEY” が、
同じリアル・ワールドから出ていて、そちらが人気盤だったからなんですね。
でも、いかにも欧米人好みのワールド・フュージョンに仕上げたこの作品を、
ソマリ・ポップの代表作にあげるなんて、ジョーダンじゃないぜ、というのが、ぼくの見方。

だいたい、リアル・ワールドって、自社のカタログの価値がわかってませんよね。
ぼくばかりでなく、広く名盤として評価されるフクウェ・ザウォーセの“CHIBITE”、
S・E・ロジーの“DEAD MEN DON'T SMOKE MARIJUANA”、
ファラフィーナの“FASO DENOU” を廃盤のままにしておきながら、
アユブ・オガダの“EN MANA KUOYO” のような、
伝統を大学でお勉強した学生レポートみたいなアルバムをわざわざ再発するなんて、
ピント外れもいいところ。

アフリカ以外をみたって、巨匠ヌスラットのカタログでは、
マイケル・ブルックとの共演盤を再発して、
リアル・ワールド最高作の“SHAHBAAZ” は廃盤。アホちゃうか !?

日頃のリアル・ワールドへのウップンが思わず爆発しちゃいましたが、
話を戻して、マリアム・マルサルの本来の持ち味である、伝統ソマリ音楽を演じたワーベリは、
整ったスタジオでレコーディングされた、カラーミの優良盤でした。

300人を超すソマリア国立歌舞団の元メンバーから選抜されたソマリアを代表するワーベリは、
60年代から活動を始め、数多くの海外公演も経験しています。
おそらくソマリアの伝統楽器カバーンと思われる4コースの弦楽器
(クレジットにはウードと表記)とボンゴがスピード感いっぱいに疾走するソマリ歌謡は、
初めてソマリ・ポップを聴く人を夢中にすることウケアイです。

前回話題にあげた、ライト&サウンドの復刻編集盤に収録されたマグールと
人気を二分した女性歌手、マリアム・マルサルの本領が味わえる名作。
いつか再評価されることを願うばかりです。

Waaberi "NEW DAWN" Real World CDRW66 (1997)
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蘇る70年代ソマリ・ポップ

Light & Sound Of Mogadishu.jpg

アフリカン・ポップスの遺産で、埋もれたままになっている筆頭株の国といえば、
なんといってもスーダンですけれど、その次がソマリアでしょうねえ。
フランシス・ファルセトがエチオピア音楽を掘り起こしたように、
誰かこの2か国を手掛けてくれないものかと、長年思い続けてきましたが、
ようやくその兆しがみえてきましたよ。

やってくれたのは、フィンランド人コレクターのフレドリック・ラヴィック。
2年前リリースされたイギリス、サウンドウェイ盤
“KENYA SPECIAL” のコンパイラーに、名を連ねていたお一人です。
フレドリックが新たに立ち上げたレーベル、アフロ・7から、
社会主義政権下の70年代のソマリアで、モガディシュの電気製品販売店の店主が設立した
民営レーベル、ライト&サウンドの復刻編集盤が、レーベル第1弾としてリリースされました。

ライト&サウンドは、国営ラジオ局しかなかった時代に、
自前の録音スタジオを所有していた画期的なレーベルでした。
どのくらいの数のシングル盤がリリースされたのか、そのカタログの全貌は不明ですが、
レバノンやケニヤで各シングル150枚程度がプレスされ、販売されていたようです。

今回リイシューされた音源は、すでに7年前、音楽研究者のマシュー・ラヴォワが、
ネット上へアップロードしていたものなんですね。
その後、正規にディスク化すべく、今はデンマーク、オーフスに暮らす
レーベル・オーナーのアリ・ハギ・ダヒールと交渉を進めていたのだと思われますけれど、
ディスク化するまで、なんと7年もかかるとはねえ。
フランシス・ファルセトも、エチオピアのアムハ・レコーズとのライセンス交渉に10年かけて、
ようやくエチオピーク・シリーズの始動にこぎつけたことを考えると、
権利関係をクリアしながらリイシューを進めるというのは、本当に大変な仕事ですねえ。

さて、そんなすでに耳慣れた音源ですけれど、あらためて聴いても、
アフロ・ファンクから伝統色の強いナンバーまで、
70年代のソマリ・ポップスのア・ラ・カルトといった充実した内容になっています。

まず冒頭4曲収録されているのが、
アル=クルバ・ホテルのナイトクラブや、モガディシュのナイトクラブ、
ジャジーラやジュバで活動していたシャレロ・バンド。
リーダーでベーシストのアフメド・ナージは、
長年在籍していたラジオ・モガディシュ・オーケストラの音楽性に飽き足らず、
サンタナやドアーズ、ジェイムズ・ブラウンといった当時の洋楽に影響された
新しい音楽をやるべく、70年代はじめにシャレロ・バンドの前身、ジェミニを結成しました。

どさくさな垢抜けないビート感が、いかにもB級なムードを漂わせますけれど、
人気女性歌手ファアドゥモ・カアシムをフィーチャーしたソマリ演歌では、
キャバレーのハコバン・ムードを濃厚に醸し出すオルガンがなんともいい味わいとなっています。

ソマリ語で「花」を意味するマグールは、
ラジオ・モガディシュ専属オーケストラから頭角を現し、大スターとなった女性歌手。
小気味よく弾かれるカバーン(ソマリア版ウード)とボンゴを伴奏に
伝統的なソマリ歌謡を聞かせ、ストリングス・セクションの加わる曲では、
スーダンのマンボみたいなムードを振りまきます。
1曲だけ収録されたアフメド・ラブシャとヒボ・ヌーラの男女デュオも、
スーダン歌謡そっくりですね。

ネット上の公開から7年もかかってしまった、ライト&サウンドの復刻編集盤ですけれど、
一方、ラジオ・モガディシュに眠る、
3万5千リールという膨大な録音のデジタル化も現在進められています。
公的機関によるこうしたアーカイヴ化プロジェクトは、
ギネア、ガーナ、タンザニアでも進められているんですが、
一般のリスナーがその成果を享受できるようになるのは、いつのことやら。

気長に待ちますが、こちらの命尽きる前に、よろしくお願いしたいものです。

Sharero Band, Ahmed Rabsha, Hibbo Nuura, Magool "LIGHT & SOUND OF MOGADISHU" Afro 7 AFR7CD01
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南ヴェトナム懐メロ集 ハー・ヴァン

Ha Van.jpg

南ヴェトナム時代を思わせるノスタルジックなデザイン。
化粧箱仕様のCDボックスという、凝った意匠にも目が止まります。
箱をひっくり返すと、裏には、車を降りて街路を渡る、
サングラスと白の洋装できめた男女の写真が載っています。
どうやらこの写真は、主役の女性歌手ハー・ヴァンと
ゲストの男性歌手ダム・ヴィン・フンが扮しているようですが、
まるでヴェトナム戦争前の映画のワン・シーンのようですね。

このデザインから、60~70年代懐メロ集であることは明々白々。
1曲目のホアイ・アン(1929-2012)の名曲“Tấm Ảnh Không Hồn” から、
しとやかに歌うハー・ヴァンに引き込まれました。
見事な歌唱力なんですが、技巧をフルに発揮するのではなく、
あくまでもさりげなく、さりげなく歌うところがいいですねえ。
柔らかな節回しで、情感を込めすぎず、かといってあっさりしてもいない、
中庸に徹したところがこの人の良さでしょうか。

歌伴に徹したバックも、最初は凡庸に思えましたが、
繰り返し聴くうちに、印象がすっかり変わりました。
ロマンティックなメロディの良さと、ハー・ヴァンの歌を引き立てるために、
余計なサウンドで装飾せず、昔のままのアレンジにしているんじゃないのかな。
せいぜいトランペットやヴァイオリン、アコーディオンをフィーチャーして、
ノスタルジックな響きを少し加える程度で、
タイのルーククルンに通じる控えめな上品さに感じ入りました。
ヴェトナムふうタンゴやボレーロも、いい仕上がりじゃないですか。

ハー・ヴァンは、北中部タイン・ホアの出身でありながら、
北部の民謡が好きになれず、
南のアクセントで歌われるセンチメンタルな歌謡が大好きだったとのこと。
歌手では、南ヴェトナム出身の大ヴェテラン、
フーン・ランの声にとても影響されたと話しています。

ヴェトナムは南に下るほど、情が深く、性格も穏やかで優しい人が多いと言われますが、
音楽にもそんな傾向があるのかもしれませんね。
3年をかけて制作したというデビュー作、デビューの気負いをまったく感じさせない、
大人の歌謡曲アルバムといえます。

Hà Vân "TIẾNG HÁT HÀ VÂN" Tiếng Hát Việt no number (2015)
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ビビり太鼓の迫力 マサンカ・サンカイ

Masanka Sankayi  KUTUMBA NKUEYAMANGANA.jpg

太鼓と木琴の鈍く重い響きが打ち鳴らされ、溢れ出る倍音。
ヘヴィーなノイズとともに身体が共鳴して、
奥底の芯をじーんと揺り動かされるような快感をおぼえます。
「これぞアフリカのパーカッション・ミュージック!」という魅力あふれる一枚と出会いました。

マサンカ・サンカイは、コンゴ民主共和国南部のカサイ州、
ルバ人の伝統音楽ムトゥアシを演奏するグループです。
フォルクロールと呼ばれる各民族の伝統音楽グループは星の数ほどありますが、
クラムド・ディスクの「コンゴトロニクス」という仕掛けによって、
広く世界の関心を集めることになりました。

Congotronics 2.jpg

実はこのマサンカ・サンカイも、
“CONGOTRONICS 2 : BUZZ’N’RUMBLE FROM THE URB’N’JUNGLE” の冒頭1曲目と
6曲目にフィーチャーされたグループなんですね。
彼ら単独のCDを初めて聴いたんですが、
クラムド・ディスク盤よりナチュラルで、もっとムキ出しの強烈なビートに圧倒されました。

マサンカ・サンカイは、ジャケット写真にも写るンブヤンバ(左)とカボンゴ(右)を中心に、
70年代から活動しているグループで、二人が弾くリケンベのほか、
木琴、ビビり太鼓、ガラス瓶のアンサンブルとなっています。
リケンベの音は、サワリ音の利いた木琴にかき消されてほとんど聞こえないんですが、
さらに強烈なのが、ビビり太鼓のディトゥンバ。

ディトゥンバは、西アフリカのジェンベのような乾いた高音とはまったく正反対の、
重く鈍い響きを特徴としています。
というのも、太鼓に張る羊皮をジェンベのように締め上げるのでなく、ゆるーく止めるんですね。
皮の中央には練り物を押し付け、ペースト状に丸く伸ばされます。
なんだかインドのタブラを思い出しますけれど、ブルキナ・ファソのモシ人の太鼓ベンドレでも、
太鼓の皮に練り物を塗ってチューニングする技法がありますね。

ディトゥンバは底に穴があいてないので、これだけでは音が出ないんですが、
横に開けられた小さな穴がビニールで覆われ、止めてあります。
これによって、ビーン、ビーンと強烈なバズ音がでるというわけです。
バラフォンの共鳴器であるヒョウタンの穴に、クモの巣を張るのと同じ理屈ですね。
ディトゥンバもその昔はクモの巣が張られていたそうです。

KANYOK AND LUBA, SOUTHERN BELGIAN CONGO.jpg

ビビり太鼓のディトゥンバと木琴マディンブの演奏というと、
忘れられないのが、ヒュー・トレイシーが50年代に残した名録音です。
ここにはルバ人だけでなく、隣接のカニョク人による演奏も収録されています。

演奏のことばかり書いちゃいましたけれど、
説経語りや説教師のような語りもの的なコール・アンド・レスポンスの歌も迫力満点で、
野性味溢れるアフリカ音楽の生命感を堪能できる名盤ですね。

Masanka Sankayi "KUTUMBA NKUEYAMANGANA" Boutique Troifoirien TFR0002
[CD+DVD]Masanka Sankayi, Kasai Allstars, Sobanza Mimanisa, Kisanzi Congo, Bolia We Ndenge, Basokin, Konono No.1
"CONGOTRONICS 2 : BUZZ’N’RUMBLE FROM THE URB’N’JUNGLE" Crammed Discs CRAW29 (2005)
Field Recordings by Hugh Tracey "KANYOK AND LUBA, SOUTHERN BELGIAN CONGO 1952 & 1957" Stichting Sharp Wood Productions SWP011/HT05
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東アフリカのフランコ スーパー・ヴォルケイノ

Mbaraka Mwinshehe & Orchestra Super Volcano.jpg

「東アフリカのフランコ」の異名をとったタンザニアのギタリスト/バンド・リーダー、
ンバラカ・ンウィンシェヘ率いるスーパー・ヴォルケイノの単独復刻が、
ついに実現しましたぁ! う~ん、待望のリイシューですねえ。
東アフリカの音源復刻といえば、ダグラス・パターソンか、
ウェルナー・グレブナーのどちらかの仕事と察しがつきますが、
今回はウェルナーのザンジバラ・シリーズからのリリースでありました。拍手喝采!

スーパー・ヴォルケイノは、
モロゴロ・ジャズ・バンドに在籍していたンバラカ・ンウィンシェヘが、
ケニヤのフィリップスから資金を借り、73年に立ち上げたバンドです。
79年にンバラカが不慮の交通事故で亡くなるまで、
タンザニア国内ばかりでなく、ケニヤ、ウガンダ、ザンビア、エチオピアなどの
東アフリカ一帯をツアーし、人気を博したバンドでした。

70年代は、ケニヤのフィリップスから数多くのシングル盤を出したほか、
モロゴロ・ジャズ・バンド時代の録音を含むンバラカ・ンウィンシェヘ名義の編集LPも、
3枚リリースされました。ンバラカ死後の80年代には、
Ukumbus (追憶)の名を冠した編集LPが、10枚以上リリースされています。
そうそう、余談ですけれど、ンバラカはモロゴロ時代にタンザニア代表として
大阪万博に来ていて、帰国して出したシングル“Expo 70” では、
「サヨナラ、オーサカ」「アリガトゴザイマス」「コニチハ」なんて歌っているんですよね。

モロゴロ・ジャズ・バンドの方は、15年前にドイツのディジムがCDリイシューしたものの、
スーパー・ヴォルケイノの復刻は、タンザニア(ケニヤ?)でCD化された
ンバラカ・ンウィンシェヘ名義のタマシャ盤があるだけ。
タマシャ盤は超入手困難で、とうとうぼくも手に入れることはできませんでした。

というわけで、まさしく待ちに待ったリイシューなんですが、
待たされただけのことはある、素晴らしい内容。
モロゴロ・ジャズ・バンド時代に比べ、
ひと回りパワー・アップした、オーケストラ・サウンドに耳奪われます。

モロゴロ時代のラテン色を脱したコンゴリーズ・ルンバあらためスワヒリ・ルンバに加え、
ジャイムズ・ブラウン影響大のソウルやファンクを取り入れた曲があるのが聴きもの。
引き締まったリズム・セクションにダイナミックなホーン・アンサンブルが加わり、
ガッツのあるサックスやトランペットのソロが堪能できますよ。

ドクトゥール・ニコに強く影響されたンバラカのギター・プレイも、
モロゴロ・ジャズ・バンド時代と変わらず活躍していて、
ラップ・スティールによるハワイアン・ギターも聞くことができます。
「スーパー火山」はダテではなく、名は体を表すですね。

Mbaraka Mwinshehe & Orchestra Super Volcano
"ZANZIBARA 9 : MASIKA - UN SOUFFLE FRAIS DE TANZANIE 1972-74" Buda Musique 860279
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ノルデスチ+ジャズ ジョヴィーノ・サントス・ネト

Jovino Santos Neto  ALMA DO NORDESTE.jpg

うわー、いいもん教えてもらいました。
ネット・ショピングで、「こちらもいかがですか」式のレコメンドも、
たまには素直に聞いてみるもんですね。大当たりの作品を見つけちゃいました。

ジョヴィーノ・サントス・ネト。
ぜんぜん知らない人だったんですが、サンプルを聴いて、ビビッときましたね。
なんでも、77年から92年までエルメート・パスコアル・グループで、
ピアノを中心とした鍵盤系の専属プレイヤーだった人とのこと。
エルメートのグループを脱退してからは、シアトルに渡って、
アメリカでブラジリアン・ジャズのリーダー作を多く発表してきた人なんだそう。
全然知りませんでしたあ。

08年の本作は、母国に帰ってカルロス・マルタ、ガブリエル・グロッシほか、
若手インスト系のトップ・プレイヤーとともに制作したプロジェクト作。
ジャケット画ですぐわかるとおり、ノルデスチにスポットをあてた企画アルバムで、
アコーディオン、ピファノ、ザブンバ、トリアングロといった北東部の伝統音楽に
欠かせない楽器をたっぷりフィーチャーして、
フォロー、バイオーン、ショッチなどを鮮やかにジャズ化しています。

もちろんそこに土臭さは、まるでないわけですけれど、
北東部リズムをしっかりと咀嚼したアレンジにのせ、
ジャズの語法を知る者にしかできない、洗練された演奏を聞かせてくれます。
う~ん、これはいいわ。ブラジル人ならではのブラジリアン・ジャズであります。

Jovino Santos Neto "ALMA DO NORDESTE" Adventre Music AM1041-2 (2008)
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サンパウロ・ジャズの才人 ギリェルミ・リベイロ

Guilherme Ribeiro  TEMPO.jpg

ブラジルのハーモニカ奏者ガブリエル・グロッシとのコンビで、
ぼくにはとてもなじみのあるピアニスト、ギリェルミ・リベイロの新作。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2014-11-05
エレガントで整ったピアノは、実に端正でお行儀がよく、
う~ん、これまたノーヴォス・コンポジトーレス一派というか、
イマドキのジャズかな、なんて思いながら聴き進めていくと、
どうしてどうして、スケールの大きな演奏にぐいぐい惹きつけられてしまいました。

曲作りのうまさは、ガブリエル・グロッシとの近作ですでに証明済。
感心したのは、メランコリックな曲をこじんまりとさせず、
雄大な演奏空間へと一段引き上げていくグループの結束力です。
ギリェルミ・リベイロのピアノに、ギター、ベース、ドラムス、パーカッション、
サックスというセクステート編成なんですが、ブラジル勢と体温の違う、
アメリカ人サックス奏者を一人加えたのが大正解。

ブラジル勢だけでは、整合感ありすぎになっていたであろう演奏を、
アメリカ人サックス奏者の肉感的なプレイが、グループに熱量を加えたことは確かですね。
一方、ギリェルミがメロトロン、ワーリッツァー、ミニモーグといった
60年代のヴィンテージなマシンを加えているところに、
サウンド・メイキングのセンスの良さを感じさせます。

ゆいいつのカヴァー曲、バーデン・パウエルの“Canto De Ossana” の
重厚な解釈も聴きものでしたけれど、ラストの60年代新主流派のセンスで暴走するところは、
おおっと身を乗り出しちゃいました。
繊細さとダイナミズムを合わせ持つ演奏力で、
卓越したアレンジと作曲能力をフルに発揮した快作です。

Guilherme Ribeiro "TEMPO" Sound Finger GR001 (2015)
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田舎のビギン ギイ・ヴァドリュー&オタンティック

O’Tantik  GUY VADELEUX.jpg

カリの『ラシーヌ』を愛するファンには、たまらないアルバムですね。
クラリネットやトロンボーンの伸びやかな演奏とともに、
バンジョーのコロコロとした響きが、田舎のビギンといったムードをまき散らします。

お懐かしや、ギイ・ヴァドリュー。
70年代から活躍するマルチニークのトロンボーン奏者です。
ハイチのコンパがフレンチ・カリブを席巻していた70年代に、
カダンスで対抗しようとしていたマルチニークで、
すっかり流行遅れとなっていた古いビギンのスタイルを堅持していた頑固者(?)です。

ズークが吹き荒れた90年代には、さすがのギイもシンセを導入して、
エレクトリック色の強いアルバムを作っていましたけれど、
レパートリーはあいかわらずビギンやマズルカで、ズークには手を出さなかったもんなあ。

その後、まったくギイの名前を見なくなっていましたけれど、
きっと地元では演奏活動を続けていたんでしょうね。
今回のアルバムは、オタンティックというグループ名義による新作となっています。
レーベル名から察するに自主製作ぽく、ディスクもCD-Rなんですが、
内容はこれまでぼくが聴いたことのあるギイのアルバムの中では、最高作ですね。

アレクサンドル・ステリオ、レオナ・ガブリエル、アルフォンソなど、
古典ビギンの名曲集となっていて、
ギイのトロンボーンとクラリネットの二管に、ピアノ・トリオの編成で演奏しています。
ギイがバンジョーを弾きながら歌う曲もあって、
これがカリの『ラシーヌ』を思わせるわけなんですが、
なかなかに味わいのある歌を聞かせてくれます。

地元マルチニークでは、アンティーユの華やかな民俗衣装をまとった女性たちを
ステージに迎えたコンサートなども行われているようで、う~ん、観てみたい。
民音あたりが呼ばないかな。

O’Tantik "LE GROUP O’TANTIK - GUY VADELEUX" GV Production GV013 (2014)
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マラヴォワ初代リーダーのソロ作 マノ・セゼール

Mano Césaire.jpg

ええっ、マノ・セゼールのリーダー作 !?
ソロ・アルバムって、これまでにあったっけか?
覚えないなあ。ひょっとして、これが初ソロ作品かも。
新作カタログに載っていて驚かされた、
69年マラヴォワ結成当初のリーダーでヴァイオリニストの、マノ・セゼールのアルバムです。

ラスト1曲をのぞき、全曲インスト。
ヴァイオリン2台、チェロ、ピアノ、ベース、パーカッションの6人編成。
もう一人のヴァイオリニストのノナ・ローレンス嬢はマノの教え子さんだそうで、
ベースはヴェテランのアレックス・ベルナールが務めています。

ドラムレスの弦楽中心の編成もあって、
シンフォニックな響きのビギンやマズルカ、ヴァルスは、
クラシカルな雰囲気がいっそう濃厚になっています。
なんだか、紳士淑女が集う優雅なボールルームをイメージさせるようですね。

もともとマノ・セゼールは、クラシックの演奏家だったんですもんねえ。
キューバのダンソーンに通じる、上品で優雅な演奏は、
マラヴォワの黄金時代をホウフツとさせます。

そしてラスト1曲は、ラルフ・タマールがゲスト参加。
ちょっと残念だったのは、曲調のせいか、少し元気なく聞こえたこと。
声も少し太く重くなっていて、持ち前のダンディーな色艶が感じられませんでした。
ラルフ・タマールのゲストを楽しみにしていたので、これは少しばかり期待外れでしたが、
往年のマラヴォワを思わすステキな1枚です。

Mano Césaire "CHIMEN NOU" no label no number (2015)
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