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コンテンポラリー・エチオ・ポップ良作 ヘレン・ベルヘ

Helen Berhe  ESKI LEYEW.jpg

あいかわらず、エチオピア現地盤のリリースは活発なんですけれども、
どうもここのところ、ぱっとした作品がないんですよね。
良かったのは、この春に出会ったジャズ・ギタリストのギルム・ギザウくらいかなあ。
エチオ・ジャズ新世代によるユニークな良作なんですけど、
日本に入ってこないのが残念です。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2017-03-04
一方、歌モノは、良くも悪くも、ソツなくできた平均的作品ばかり。
これは!という作品がなくて、どうも取り上げにくいんですよね。

人気絶頂のテディ・アフロは、社会派なメッセージ・ソングが、
どうにも見え透いていて、ぼくは買えないんですが、現地じゃ大ウケですね。
その昔、ナイジェリアにソニー・オコソンというメッセージ・ソングを商売にした
インチキ野郎がいたっけねえ。ソニー・オコソンみたいなヤツって、
その後も、ちょこちょこ出てくるよなあ。
自分の国の民族問題すら解決してないくせ、
足元の問題はヤバイので触れずに、「アフリカ・ユナイト」だのと、
オタメごかしのメッセージを歌うヤツくらい、信用ならんのはいませんよ。

メッセージ・ソングを売り物に、現地で支持されているからって、
外国人がそれに追随する必要なんてありません。
最近の日本の音楽ジャーナリズムは、批評の視点が欠けてるんじゃないのかな。
あちらで人気があるからって、ただそれを礼賛したってしょうがないんだけど。

おっと、話が変な方向にそれちゃいましたが、
そんな不満を抱えていたエチオピア新作で、珍しく耳がピクンと反応したのは、
ヘレン・ベルヘという新人女性歌手の2作目。
オープニングは、アバガス・キブレワーク・シオタ・マナーの
コンテンポラリー・サウンドで、ああ、またかといった感じだったんですけれど、
2曲目、3曲目と聴き進めていくうちに、エレクトロR&Bあり、
人力ドラムスに管楽器入りの生演奏ありと、サウンドの振り幅は大。
シオタのほかに3~4人がプロデュースを手がけているようで、
個性豊かなカラフルなサウンドに、すっかり魅せられたんでした。

なかでも耳を奪われたのが、マンドリンをフィーチャーした3曲目の“Yene Konjo”。
エチオピアでマンドリンを弾く人いえば、
かの名門インペリアル・ボディガード・オーケストラの
アイェレ・マモしか知らないんですけれど、あのレジェンドが弾いているんでしょうか !?
たまたま本作と一緒に入手した、新人男性歌手アディス・グルメサのデビュー作
“YAN GIZE” のライナーに、マンドリンを弾いているアイェレ・マモの写真が載っていて、
マンドリンが登場する曲があったので、ひょっとするとヘレンのアルバムで弾いているのも、
アイェレ・マモなのかもしれません。

バックのことばかり書いちゃいましたが、主役のヘレンのヴォーカルもいいんですよ。
ちょっとハスキー味のあるソウルフルな声で、
ざっくばらんとした歌いぶりに、親しみがもてます。さらりと回すこぶしも巧みです。
ヘレンは10年に“TASFELIGEGNALEH” でデビューしたそうで、
デビュー作はアバガス・キブレワーク・シオタとウォンディメネ・アセファの二人が
アレンジを手がけていたとのこと。
セカンドの本作は、スタッフをさらに強化して制作されたわけですね。
金太郎飴的なエチオピアン・ポップのなか、ひとつ頭抜けたアルバムです。

Helen Berhe "ESKI LEYEW" Zojak World Wide no number (2017)
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