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M-BASE ギタリスト デヴィッド・ギルモア

David Gilmore TRANSITIONS.jpg

デヴィッド・ギルモアといえば、
スティーヴ・コールマンのファイヴ・エレメンツでの活躍が忘れられないギタリスト。

スペルの違うピンク・フロイドのギタリストではありませんからねと、
いつも注釈を付けなきゃならないのがシャクにさわるんだけど、
知名度の違いは、いかんともしがたいところ。
ジョス・ストーンのツアー・サポートやマンディ満ちるなど、
さまざまなフィールドでプレイしていますけれど、
ぼくにとってはM-BASE のギタリストですね、やっぱり。

ただ、彼のソロ・アルバムは、どうもピンとくるものがなくてねえ。
昨年話題となった“ENERGIES OF CHANGE” も、
ああ、こんなコンテンポラリー・サウンド志向のアルバムを作るんじゃなくって、
もっとギターをバリバリ弾いてくんないかなあと、不満タラタラ。
正直、新作がクリス・クロスから出ると聞いたときは、こりゃダメだと思ったもんです。

ジャズから同時代性が失われた80年代に登場したクリス・クロスは、
衰退したジャズを象徴する典型的なレーベルでした。
枠取りの統一ジャケット・デザインのスクエアぶりなど、救いがたいセンスで、
まるでクラシックのレーベルみたいにしか思えなかったもんなあ。
ずうっと、保守的なジャズの焼き直し専門レーベルと見なしていたので、
なんでまたデヴィッド・ギルモアがクリス・クロスと思ったら、これがビックリの会心作。

オープニングから、バリバリの変拍子チューンで、ギター弾きまくり。
これこれ、こういうのをやってもらいたかったんだよねえ。
クリス・クロスのCDを買ったのって、これが初めてだけど、こりゃまいったなあ。
1曲目みたいな変拍子の自作曲ばかりだったら、サイコーだったんですけど、
デヴィッドの自作曲はあと1曲のみで、ほかはボビー・ハッチャーソンや
ウディ・ショウなど、割合とオーソドックスなカヴァーが多いのは、
レーベル側の要求だったのか。
トゥーツ・シールマンスの“Bluesette” まであるのには、ちょっと呆れたけど。

そんなコンサバ寄りの選曲にもかかわらず、デヴィッドの暴れっぷりは爽快そのもの。
はみ出しまくったギター・プレイは、ぼくが彼に期待するところ十分であります。
ヴィクター・ベイリーの曲でみせたヒップホップ・センスは、
ちょっとオールド・スクールすぎるんでないかい?と思ったけど、
“Bluesette” は案外いい仕上がりだし、ナイロン弦ギターで弾いた
エルメート・パスコアールの“Nem Un Talvez” も聴きものでした。

全体にジャジーな雰囲気が横溢しているのが、クリス・クロスらしいところなんでしょうね。
ジャズ・アルバムに「ジャジー」ってオカシな形容だけど、
ジャンル横断のM-BASE マナーのジャズからみれば、
十分「ジャジー」で「オーソドックス」なアルバムといえます。

メンバーでは、テナー・サックスのマーク・シムとの相性が抜群に良いのと、
E・J・ストリックランドのドラミングが、
攻撃的に迫るデヴィッドのギターを煽りまくっていて、
このエネルギッシュなアンサンブルの核となっていますね。

次回はぜひこのメンツで、
デヴィッドの幾何学的な自作曲オンリーの変拍子大会をお願いします。
レーベルはクリス・クロスじゃなくて、ACTあたりがいいんじゃない?

David Gilmore "TRANSITIONS" Cris Cross Jazz 1393CD (2017)
コメント(2) 

コメント 2

ペイ爺

>衰退したジャズを象徴する典型的なレーベル
そうかもしれませんね…。Chet Baker が Warne Marsh とやった“Blues For Areason”、好きで今でも良く聴くんですけど、精一杯人生を生き抜いて来た人の、死ぬ前の最後の一瞬の輝き、といった趣が何となくするんです。
同じく80年代の Horace Parlan の Timeless 盤“Joe Meets The Rhythm Section” とか、EGO Records 盤“One For Wilton” なんかにも、音の背後に、何かこう言い知れぬ寂寞なものを感じます。
by ペイ爺 (2017-04-12 00:02) 

bunboni

懐古レーベルの名作というやつでしょうか。。。
by bunboni (2017-04-12 06:20) 

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