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フレンチ・クレオールのルーツ探訪 レイラ・マキャーラ

Leyla McCalla  A DAY FOR THE HUNTER, A DAY FOR THE PREY.jpg

デビュー作がラングストン・ヒューズの詩に曲をつけた作品なら、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2014-04-23
2作目は、民族音楽学者ゲージ・アヴェリルの本の書名を
アルバム・タイトルにするという、相変わらず学究肌のレイラ・マキャーラ
(「マッカーラ」とか書かれてますけど、ピーター・バラカンさん、違いますよねえ)。

97年にシカゴ大学出版から出されたその本は、
ハイチの現代史とポピュラー音楽を概説した内容だとのこと。
本のタイトルは、ハイチの古いことわざ
“Yon jou pou chasè a, Yon jou pou prwa a” から取られています。

この本にインスパイアされて制作された新作、ということなんですが、
レイラの生硬な歌いぶりは変わっておらず、歌手としては好みになりにくいタイプ。
それでも手が伸びたのは、レイラのハイチをルーツとする
フレンチ・クレオール音楽に惹かれるからです。
ハイチ音楽ファンには、ほぉ、と嬉しくなるレパートリーが並んでいるんですね、これが。

まず、よく知られているハイチ民謡では、“Fey-O” が選ばれています。
90年代のミジック・ラシーンのムーヴメントで、
アリステッド支持派によるアンセムとして再評価された曲ですけれど、
一般には、サイモンとガーファンクルの『明日に架ける橋』のリマスターCDに収録された
エキストラ・トラック“Feuilles-O” で知られているといった方が通りがいいかな。くやしいけど。

農耕の精霊アザカに捧げたヴードゥーの宗教歌“Minis Azaka” は、
多くのハイチ人音楽家によってポピュラー化された曲です。
イッサ・エル・サイエの録音も残っていて、“LA BELLE EPOQUE VOLUME 2” で聴けます。

“Peze Café” も古いハイチ民謡で、クレオールで歌われる賛美歌になっています。
最近では、クンバンチャから登場したラクー・ミジクのアルバムの中でも歌われていましたね。
そちらでは、クレオール綴りの“Peze Kafe” と書かれていました。

ミジック・ラシーンのアーティストたちの精神的支柱となったハイチのシンガー・ソングライター、
マノ・シャルルマーニュの代表曲“Manman” も取り上げられていますよ。

こうしたハイチのクレオール・ミュージックに混じって、
フレンチ・クレオールで歌われるケイジャンの“Les Plats Sont Tous Mis sur la Table” や、
バンジョーとクラリネットがクレズマーの響きを醸し出す“Far from Your Web” が
とても魅力的に響きます。

これほど芳醇に文化が交叉したクレオール・ミュージックでありながら、
まったく土の匂いもしなければ、野趣な味わいもないのは、新世代ルーツ・ミュージックの特徴。
蒸留された純度の高さを示すものと、ここは好意的に解釈しましょう。

Leyla McCalla "A DAY FOR THE HUNTER, A DAY FOR THE PREY" Jazz Village JV570116 (2016)
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