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奨学金もらってインドでレコ掘り

Indian Talking Machine.jpg土埃にまみれ、山積みにされたSP。
鼠など小動物の糞尿の匂いが
漂ってきそうな写真の数々に、
吐き気を催すか、
うわぁ~と目が釘づけになるかが、
フツーの音楽ファンと、
レコード・マニアの分かれ目でしょうか。

ずしりと重い244ページの写真集に、
CD2枚が付いたCDブック。
インドの骨董屋や倉庫に積み上げられた大量のSPの写真は、
ページをめくるたび、眩暈をおぼえそうな光景の連続で、
レコード・マニアなら口あんぐり、
ヨダレたれっぱなしになることウケアイです。

エクスペリメンタル・サウンド・ユニットのクライマックス・ゴールデン・ツインズのメンバーで、
SPコレクターとして知られるロバート・ミリスが、フルブライトの研究員として、
12~13年にインドへ現地調査・収集を行った成果物であります。

レコード・コレクターの目を通じ、78回転盤時代のインド・レコード産業を研究するというテーマで、
奨学金がもらえるだなんて、そんなおいしい話が世の中にはあるんですねえ。
世界中のレコード・コレクターの羨望と嫉妬の眼差しを集めそうな、
「奨学金もらってレコ掘り・イン・インド」であります。

CDには、この研究調査で集めた1903年から49年までの録音46曲が収められていて、
SPからのトランスファーは、
“OPIKA PENDE : AFRICA AT 78 RPM” のジョナサン・ウォードが担当。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2011-12-15
音質は上々で、古典音楽から大道芸まで雑多に詰め込まれています。
個々のトラックに聴きものは多いんですが、選曲に特段の意図は感じられません。

本の方も、各曲簡単な解説はあるものの、インド・レコード産業黎明期時代の解説がなく、
やはりこれは研究書ではなく、SPコレクターのレコ掘り自慢がメインの写真集でしょう。
わずか2年の収集調査とはいえ、4万5千枚を超すチェンナイのコレクターのSPコレクションや、
ムンバイ郊外に1万枚のSPを保管しているコレクターといった大物にぶち当たっているので、
かなり効率的に集めることができたようです。
インドには金持ちの知識層に古典音楽マニアが多いから、
ケタ違いのコレクターがいても、さほど不思議はありません。

写真集の解説には、苦労話がちっとも出てこないので、楽勝なレコ掘りだったんじゃないのかな。
それゆえなのか、同じ雑多な編集内容でも、
いにしえの東南亜細亜音楽を編集した4CDボックス
“LONGING FOR THE PAST : THE 78 RPM ERA IN SOUTHEAST ASIA”
のような深みが感じられません。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2013-10-15
SPコレクターが長年コツコツと集め吟味してきたような「鍛え抜いた感」が、
このコレクションにはないからでしょう。
そんな感想も、やっかみが半分以上なのではありますが。

ま、いずれにせよ、良い子の音楽ファンには無用な、
SPを偏愛するレコード・マニア向けのCD写真集。
1000部限定というけど、そんなに需要があるのかなあ。その半分で十分なのでは。

[CD Book] Robert Millis "INDIAN TALKING MACHINE: 78 RPM RECORD AND GRAMOPHONE COLLECTING ON THE SUB-CONTINENT" Sublime Frequencies SF099 (2015)
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