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蘇る70年代ソマリ・ポップ

Light & Sound Of Mogadishu.jpg

アフリカン・ポップスの遺産で、埋もれたままになっている筆頭株の国といえば、
なんといってもスーダンですけれど、その次がソマリアでしょうねえ。
フランシス・ファルセトがエチオピア音楽を掘り起こしたように、
誰かこの2か国を手掛けてくれないものかと、長年思い続けてきましたが、
ようやくその兆しがみえてきましたよ。

やってくれたのは、フィンランド人コレクターのフレドリック・ラヴィック。
2年前リリースされたイギリス、サウンドウェイ盤
“KENYA SPECIAL” のコンパイラーに、名を連ねていたお一人です。
フレドリックが新たに立ち上げたレーベル、アフロ・7から、
社会主義政権下の70年代のソマリアで、モガディシュの電気製品販売店の店主が設立した
民営レーベル、ライト&サウンドの復刻編集盤が、レーベル第1弾としてリリースされました。

ライト&サウンドは、国営ラジオ局しかなかった時代に、
自前の録音スタジオを所有していた画期的なレーベルでした。
どのくらいの数のシングル盤がリリースされたのか、そのカタログの全貌は不明ですが、
レバノンやケニヤで各シングル150枚程度がプレスされ、販売されていたようです。

今回リイシューされた音源は、すでに7年前、音楽研究者のマシュー・ラヴォワが、
ネット上へアップロードしていたものなんですね。
その後、正規にディスク化すべく、今はデンマーク、オーフスに暮らす
レーベル・オーナーのアリ・ハギ・ダヒールと交渉を進めていたのだと思われますけれど、
ディスク化するまで、なんと7年もかかるとはねえ。
フランシス・ファルセトも、エチオピアのアムハ・レコーズとのライセンス交渉に10年かけて、
ようやくエチオピーク・シリーズの始動にこぎつけたことを考えると、
権利関係をクリアしながらリイシューを進めるというのは、本当に大変な仕事ですねえ。

さて、そんなすでに耳慣れた音源ですけれど、あらためて聴いても、
アフロ・ファンクから伝統色の強いナンバーまで、
70年代のソマリ・ポップスのア・ラ・カルトといった充実した内容になっています。

まず冒頭4曲収録されているのが、
アル=クルバ・ホテルのナイトクラブや、モガディシュのナイトクラブ、
ジャジーラやジュバで活動していたシャレロ・バンド。
リーダーでベーシストのアフメド・ナージは、
長年在籍していたラジオ・モガディシュ・オーケストラの音楽性に飽き足らず、
サンタナやドアーズ、ジェイムズ・ブラウンといった当時の洋楽に影響された
新しい音楽をやるべく、70年代はじめにシャレロ・バンドの前身、ジェミニを結成しました。

どさくさな垢抜けないビート感が、いかにもB級なムードを漂わせますけれど、
人気女性歌手ファアドゥモ・カアシムをフィーチャーしたソマリ演歌では、
キャバレーのハコバン・ムードを濃厚に醸し出すオルガンがなんともいい味わいとなっています。

ソマリ語で「花」を意味するマグールは、
ラジオ・モガディシュ専属オーケストラから頭角を現し、大スターとなった女性歌手。
小気味よく弾かれるカバーン(ソマリア版ウード)とボンゴを伴奏に
伝統的なソマリ歌謡を聞かせ、ストリングス・セクションの加わる曲では、
スーダンのマンボみたいなムードを振りまきます。
1曲だけ収録されたアフメド・ラブシャとヒボ・ヌーラの男女デュオも、
スーダン歌謡そっくりですね。

ネット上の公開から7年もかかってしまった、ライト&サウンドの復刻編集盤ですけれど、
一方、ラジオ・モガディシュに眠る、
3万5千リールという膨大な録音のデジタル化も現在進められています。
公的機関によるこうしたアーカイヴ化プロジェクトは、
ギネア、ガーナ、タンザニアでも進められているんですが、
一般のリスナーがその成果を享受できるようになるのは、いつのことやら。

気長に待ちますが、こちらの命尽きる前に、よろしくお願いしたいものです。

Sharero Band, Ahmed Rabsha, Hibbo Nuura, Magool "LIGHT & SOUND OF MOGADISHU" Afro 7 AFR7CD01
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