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ボサ・ノーヴァのフロウを発明したリズムの天才 タクシー・サウダージ

Taxi Saudade BOSSA-MONK.jpg

「ボサ・ノーヴァを日本語で歌ったところで、しょせん借り物の歌謡曲にしかならない。
日本人が日本語でボサ・ノーヴァを歌えないのは、サンバのリズムがわかってないからだよ」
そんなことをしたり顔で言っていたぼくの後頭部を、
タクシー・サウダージのデビュー作は、思いっきり張り倒したのでした。
ここまで見事に、日本語をサンバのリズムに乗せて歌ってのけた人は、彼が初めてです。
サンバのニュアンスをしっかりと持ったその歌い口に、ぼくはすっかりまいってしまったのでした。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2014-07-22

衝撃的だったあのデビュー作から1年、早くも届いた2作目。
新作はボサ・ノーヴァばかりでなく、サンバやマルシャも取り入れ、
タクシー・サウダージのサンバ解釈がホンモノであることを、鮮やかに示しています。
でも今作のスゴさは、そんなところにあるんじゃないですね。
はっきりいって今作でのサンバは、アルバムにほんのアクセントをつけたにすぎません。

今回ぼくがブッとばされたのは、オープニングの<ボサ・ノーヴァ・ラップ>と、
シャンソンの大有名曲「枯葉」のカヴァーです。
<ボサ・ノーヴァ・ラップ>なぞと思わず口走ってしまいましたが、
冒頭のオリジナル曲「尊いこと」のヴォーカルは、
そうとしか表現しようのない、ユニークなヴォーカル・スタイルを聞かせてくれます。
ぼくはこの1曲で、タクシー・サウダージがリズムの天才であることを確信しましたね。

前作で彼は、日本語をボサ・ノーヴァのリズムにのせる類まれなるセンスを発揮しましたけれど、
新作ではそれをさらに深化させ、ラップにおけるフロウを、
ヒップホップでなくボサ・ノーヴァという土俵でやってのけているんですよ!
こんな斬新なリズムの挑戦をした人、誰ひとりもいません。よくまあ、考えついたなあ。
いや、おそらく、頭で考えたアイディアではないんでしょうね。
これほど自然体で表現できるのは、日本語の響きをリズムにのせていく天性のリズム感を、
身体の中にしっかりと持っているからこそなんでしょう。

さらに、その日本語をリズムにのせる勘の良さを証明してみせたのが、
あの超有名曲「枯葉」のカヴァー。
聴き慣れた「枯葉」の譜割りを変えて、彼独特のボサ・ノーヴァに仕上げているんですが、
このリズム・アレンジの新鮮さには、降参です。
「枯葉」のボサ・ノーヴァ・カヴァーなんて、とんでもなく凡庸になりそうなところを、
こんなふうに聞かせることができるのかというオドロキの仕上がりに、
タクシー・サウダージの天性のリズム・センスが如実に表れています。
ジョアン・ジルベルトの歌とギターのリズムのズレを研究し、体得したからこその芸当でしょうか。

タクシー・サウダージの真骨頂はリズムにあり、ですね。

Taxi Saudade 「BOSSA-MONK」 Ja Bossa Disc JBD001 (2015)
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