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ヘイシャン・ストリート・ストリング・バンド ブールピック

Boulpik  KONPA LAKAY.jpg

派手なペイントを施したルンバ・ボックスを、真正面からどーんと写したジャケット。
バハマやジャマイカの観光地によくいる、流しのメント・バンドかと思ったら、
ハイチのトゥバドゥだそう。そういや、ちゃんと、そう書かれてますね。

ハイチではこの楽器、<ルンバ・ボックス>ではなく、
<マニバ>というんだそう。キューバの<マリンブラ>のクレオール訛りですかねえ。
ギターのことをマタモと呼ぶのも、トリオ・マタモロスが由来だというので、
キューバに出稼ぎしていたハイチ人労働者が、
マリンブラを持ち帰ったんじゃないのかしらん。

こうしたストリング・バンドはカリブ海一帯にありますけれど、
英語圏とスペイン語圏とフランス語圏とでは、それぞれ味わいが違います。
英語圏のメロディは、バハマやジャマイカのメントに代表されるとおり、
もろダイアトニックで、わかりやすさ100%。
悪く言えば、深みがないともいえるんですけれども、
キューバのソン成立前のトローバや、ハイチの田舎のメラングやトゥバドゥには、
さまざまな文化が混淆した痕跡がメロディにくっきりと残されていて、とても魅力的です。
洗練されたひとつのスタイルにまとまる以前の、
混沌とした音楽には、雑味とともに複雑な旨みが隠れているのを感じます。

そんなことを改めて思わされたのが、このブールピックという、
トゥバドゥ・リヴァイヴァル・ブームにのって04年に誕生したグループ。
普段はビーチやホテルで観光客相手に歌っているストリート・バンドのようですが、
そういったグループにありがちな、
ヒット・ソングの凡庸なカヴァーやオリジナリティの乏しさがなく、
フレッシュな魅力をたたえたサウンドを聞かせてくれます。

ヴォーカルがコクのあるノドをしていて、聴き惚れちゃいました。
身体を使って仕事をしてる人の声って感じが、いいじゃないですか。
芸人風情もあって、味があります。
レパートリーの多くはリーダーのフランケル・シフランが書いていて、
そのほか、クーペ・クルエやタブー・コンボのヴォーカリスト、
シューブーの曲などをカヴァーしています。

ストリング・バンドにありがちなレイド・バックしすぎなところもなく、
若いメンバーによる目の覚めるようなシャープな演奏が好ましいですね。
メンバーのバンジョー、マニバ、拍子木のほか、
ゲストにヴァイオリンやアコーディオンを招いたアレンジも効いていて、
きりっと引き締まったアルバムになっています。
かつてのトゥバドゥ・ブームでわんさか出たアルバムの中でも、最高の出来ですよ。

Boulpik "KONPA LAKAY" Lusafrica 662252 (2014)
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