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世界初! ミャンマーのスライド・ギター・アルバム アウン・ナイン・ソー

Aung Naing Soe  MUSIC OF BURMA  BURMESE GUITAR.jpg

ミャンマーのスライド・ギターのCD? なんだってぇえええ!!!
すわ、一大事とばかりに、渋谷のエル・スールに駆け込みました。
これ、世界初のCDじゃないの? 大事件だぞ、こりゃあ。

一人勝手にコーフンしておりますが、
ヴェトナムのギター・フィムロンとともに、東南アジアの謎のギターとして
知る人ぞ知る、ミャンマーのスライド・ギター。
音源はと言えば、これまでレコードの1枚すらもなく、
民俗音楽のCDに数曲入っていた程度しかなかったんだから、
これがコーフンせずにいられよかってなもんです。

昨年大きな話題を呼んだ
「BEAUTY OF TRADITION ミャンマーの伝統音楽、その深淵への旅」の
プロデューサーである井口寛さんが、今年の4~5月にヤンゴンで録音してきたものだそう。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2014-10-12
古典歌謡のタチンジー、流行歌謡のカーラボー、即興演奏を収録した全12曲。
マーマーエー、ニニ・ウィン・シュウェ、ソーサーダトンといった女性歌手たちや
ビルマの竪琴で有名なサウンのソロ演奏をよく知る人なら、
耳馴染みのあるメロディがふんだんに出てきて、相好を崩すことウケアイです。

でもこれ、ミャンマーの音楽未体験の人には、どう聞こえるんだろうなあ。
チューニングが狂っているようにしか聞こえなかったり、
つっかかるフレーズに、このギタリスト、ヘタなんじゃないのなんて、誤解しそう。
7音階という、不思議すぎるミャンマー音楽。
しかも3度と7度のピッチがやや低いという音感は、
西洋音階に慣れた人間には、相当違和感があるもの。
一応4拍子系のリズムなんですけど、テンポは一定でなく、拍が自在に伸び縮みするので、
頭がクラクラして、すぐにはこの音楽の良さが理解できないかも知れませんねえ。

ラップトップのリゾネイター・ギターを膝の上に載せスライドを使って弾くギターは、
第二次大戦前後の40~50年代にはポピュラーだったそうですが、
今ではすっかり廃れてしまい、演奏するギタリストの数もすっかり減ってしまったそうです。
そのため、数少ない生き残りのヴァーチュオーゾであるウー・ティンが、
後継者を育成していて、お弟子さんたちとともにドイツなど海外公演もしているんですね。

ウー・ティンは、いわばヴェトナムのギター・フィムロンの名手キム・シンに匹敵する人で、
二人はちょうど同世代なんじゃないのかな。
第二次大戦中まだ十代だったウー・ティンは、
ラングーンの爆撃により家族とともにジャングルに逃れ、森の中での生活を余儀なくされました。
そこで出会ったスライド・ギターの名手から、このギターを学んだのだそうです。

戦争が終わるとジャングルから戻り、ラングーンの映画館の専属楽団の一員となって、
無声映画の伴奏をしていたそうです。
最初ミャンマーのスライド・ギターのCDというので、
てっきりウー・ティンがレコーディングしたのかと思ったりしたんですけど、
ひょっとしてアウン・ナイン・ソーというこの若者も、ウー・ティンのお弟子さんだったりして。

このギター・スタイルは、サウンの演奏をギターに置きかえたプレイであるわけですけれど、
サウンでは表現しきれない伝統的な節回しやコブシを演奏するのに、
スライド・ギターはうってつけといえます。
その絶妙なヴィブラートを聴いていると、
ぼくの大好きなソーサーダトンが歌っているような幻聴をおぼえます。

Aung Naing Soe "MUSIC OF BURMA BURMESE GUITAR" Rollers ROL001 (2015)
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