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秩父で発見されたサンビスタ タクシー・サウダージ

Taxi Saudade  Ja-Bossa.jpg

こりゃマイりました。こんな逸材が登場するとは。
自作の日本語ボサ・ノーヴァを歌う秩父のタクシー運転手って、
はあ???と思いながらヘッドフォンを付けたんですけど、一聴、ビックリ。ノケぞりました。

ボサ・ノーヴァを歌う日本人も珍しくなくなった今日この頃ですけど、
ポルトガル語がいくら達者でも、あまり関心を持てる人が出てこないんですよねえ。
雰囲気だけボサ・ノーヴァらしくやっていても、歌はただのJ-ポップだって人が多くってね。
小野リサというしっかりとした先達がいるだけに、彼女と同等か彼女を超えるレヴェルの人でないと、
わざわざ日本人が歌うボサ・ノーヴァを聴く気にはなれません。
ましてや日本語で歌うとなると、そのハードルはかなり高いものになります。

で、このタクシー・サウダージさん、ホンモノです。
ボサ・ノーヴァを歌うといいますが、ちゃんと歌がサンバになってます。
そこがただのJ-ポップになっちゃう人との違いですね。
サンバが歌えない人にボサ・ノーヴァは歌えません。それがわかってない人が多いんですよね。
このおじさん、どこでこんな本格的なサンバのフィーリングを習得したんでしょ。ナゾすぎます。

ギターの腕前は確かだし、サンバのリズムをきちんと体得とした歌に、
朴訥とした歌いぶりはボサ・ノーヴァ流儀で、
歌詞には還暦近いご本人の人生が織り込まれています。
まさしく音楽からサウダージが溢れ出していて、芸名は伊達じゃありませんよ。

タクシー・サウダージの低音の歌の魅力は、
歌謡曲なら石原裕次郎か浜口庫之助を思い浮かべるところですけど、
ぼくには、トッキーニョが持つイタリア系ブラジル人の「粋」に通じるものを感じました。
そのせいか、このアルバムはボサ・ノーヴァというよりも、
録音に恵まれなかったサンビスタが、還暦近くでようやく出したデビュー作のような、
ヴェーリャ・グアルダのサンバ・アルバムを聴くのに似た感触があります。

日本における外国音楽の受容も本格的になったもんだと、しみじみ思いますが、
それはぼくよりずっと若い世代だからこその進化の結果であって、
まさかぼくより年上の世代から現れるとは、正直思ってもみませんでした。
「弁ブルース」以上のオドロキ、こりゃ事件ですよ。

ほろ苦い人生の歩みを静かに沈殿させたような自作曲、
「イパネマの娘」「デザフィナード」「サマータイム」といった手垢にまみれたスタンダードに
日本語詞をのせて、かくも新鮮に蘇らせるその手腕。
はぁ、この人、どんな人生を送ってきたんでしょうか。ぜひ知りたい。
詳しいインタヴューをどなたかお願いします。

Taxi Saudade 「JA-BOSSA」 Ja Bossa Disc/Aby ABY014 (2014)
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