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ヘヴィー級タカンバ・バンド シュペール・オンズ

Super Onze.jpg

轟きわたる重低音。
バス・ドラムのようにずしんずしんと腹に響くこの楽器が、
半切りにしたひょうたんをコブシで叩いているだけだなんて、
にわかに信じられないほど。ロック・ドラムも形無しですね。
重戦車と呼びたいヘヴィーなビートを生み出すこのカラバシは、
マルコス・スザーナのパンデイロ以来の衝撃です。

録音の良さもあいまって、カラバシの迫力にノックアウトされた本作は、
マリ東部の町、ガオ出身のグループ、シュペール・オンズの10年作。
こんなすごいアルバムが4年も前にオランダで出ていたとは、知りませんでした。
世界的なマーケットにはまったく出ていないようで、
ぼくはバンドキャンプで入手したんですけど、
大手のディストリビューターを通じて、ぜひ流通させてほしいですねえ。

シュペール・オンズは80年代初め、かつてのソンガイ帝国の首都ガオで、
3人のソンガイ人、ハジズ・トゥーレ、アサリャ・サマケ、
アギタ・ムサ・マイガによって結成されたグループとのこと。
その後の世代交代で、歌手はハジズの息子イサ・トゥーレに、
リード・ンゴニはアサリャの息子イェヒア・ンバラ・サマケに交替し、
もう一人のンゴニとカラバシとダンサー各2名のトゥアレグ人5人が加わった、
ソンガイ/トゥアレグ混成のグループです。

メンバーの出自もさまざまで、ンゴニの二人とダンサーの一人は、
グリオ同様、音楽を専門職能とする鍛冶屋の出身なら、
他のメンバーは農家や材木屋の家系の出身者。
グリオ以外の人間が音楽を演奏することをタブー視するマンデ系の民族と違い、
ソンガイ人はグリオもグリオでない者も音楽を演奏するので、
こういうバンドが可能となるんですね。
ソンガイ人で有名な歌手といえば、アリ・ファルカ・トゥーレ、アフェル・ボクーム、
ハイラ・アルビーがいますけど、全員グリオ出身じゃありませんね。

とはいえ、シュペール・オンズがやるのは、
グリオたちが演奏してきた伝統的な祝祭のダンス音楽、タカンバ。
アンプリファイドされたリード役のンゴニと生音のセカンド・ンゴニ、
そして2台のカラバシで、雄大なサウンドを生み出します。
そして、歌手のイサ・トゥーレも強力。
グリオをホウフツとさせるパワフルなノドを響かせ、メリスマを炸裂させます。

カラバシが入らないンゴニだけの伴奏では、落ち着いて聴くこともできますけど、
カラバシが加わるタカンバの強烈さは、かつてのブルンジ・ドラムもまっつぁお。
大地を揺るがすビートに、ただただ圧倒されるばかり。
すでにジャスティン・アダムスが彼らに注目しているようですが、
優秀なプロデューサーが付いたら、
コンゴトロニクスに次いで世界が瞠目するバンドになること必至ですよ。

Super Onze "SUPER 11" Two Speakers TWO003 (2010)
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