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トンガに明けてトンガに暮れる モコンバ

Mokoomba  RISING TIDE.JPG

グローカルじゃないアフリカン・ポップスが聴きたい。
そんなぼくにぴったりなテイストのバンドが登場してくれました。
モコンバは、ジンバブウェとザンビア国境にまたがる世界三大瀑布のひとつ、
ヴィクトリアの滝で有名なザンベジ川流域を出身とする、若きトンガ人の6人組バンド。

ジンバブウェでは少数民族のトンガ人の彼らは、
ジンバブウェの主要言語であるショナ語やンデベレ語ではなく、
トンガ語やニャンザ語やチョクウェ語で歌います。
ジャンルもジンバブウェでメインストリームのスングラではなく、
アフロ・フュージョンという新たなサウンドで旋風を巻き起こしました。

モコンバは08年、ジンバブウェ国内外のコンテストで賞を総なめにし、
09年にデビュー作をリリース、09年と10年の2度に渡るヨーロッパ・ツアーも大成功させ、
破竹の勢いで今年の夏、セカンド・アルバムを完成させました。
YouTubeに上がっているオープニングの“Njoka” のPVがすでに話題となっているとおり、
マハラティーニばりの低音ダミ声トースティングで始まるこのトラックは世界標準レヴェル。
ツカミもばっちりなこの曲、チャートを上ること確実でしょう。

元ザップ・ママのベーシスト、マヌ・ガロがプロデュースしたこのアルバム、
モコンバのライヴ・バンドたるエネルギーを奪うことなく、
一般の音楽ファンにもアピールするポップな要素を、
たっぷりと取り込んだプロデュース・ワークが花丸ものです。
80年代のワールド・ミュージック・ブーム時代なら、
ごく当たり前にあった「普通にポップな」サウンドですけれど、
いつの日からかこういったサウンドがアフリカン・ポップスから消えてしまったせいで、
モコンバのプロダクションはひさしぶりに新鮮に響きました。

きっちりアレンジしたコーラスやホーン・セクションに、
ゲストのコラやスティール・パンのサンプルなどのエフェクトも効果的に施した
トラック・メイクの手腕が鮮やかです。
サリフ・ケイタの“SORO” を思わせる“Masangango” のスケール感あるサウンドや、
クラブ・プレイにぴったりの“Welelye” にア・カペラの“Mabemba” など、聴きどころ満載。
アフロ・ラテン、レゲエ、ラガ、マンデ・ポップ、ルンバ・ロックを消化した音楽性に、
モコンバの柔軟な才能を感じさせますが、あの手この手のポップ・サウンドが鼻に付かないのは、
どんなサウンドでもモコンバの力量がしっかりと示されているからですね。
マティアス・ムザザの生命力みなぎるヴォーカルが、胸をすきます。

ジンバブウェのスングラがいくらエネルギッシュとはいっても、
押し一辺倒のサウンドとワン・パターンな楽曲では、世界の舞台に上るのは到底無理な話。
モコンバのメンバーが吸収した多様な音楽性と、
フックの利いた曲を書ける才能があってこそ、世界へ飛び出すことができたのでしょう。
年末ぎりぎり、今年のアルバム・ベスト10にすべりこみセーフの本作、
タンザニア、ドドマの合唱団ムチョヤ&ニャティ・ウタマドゥニと交替してもらいました。

はあ、それにしても。
2012年は、トンガの親指ピアノに明けて、トンガのバンドで暮れるという、
不思議なめぐり合わせの年となりました。

Mokoomba "RISING TIDE" Igloo IGL235 (2012)
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