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サハラウィのフォーク・ロック アシサ・ブライム

Aziza Brahim  Mabruk.JPG

西サハラの女性歌手といえば、なんといってもマリエム・ハッサンが最高峰ですけど、
彼女に続く世代の活動ぶりが伝わってきました。
このアシサ・ブライムは、76年アルジェリア、ティンドゥフの難民キャンプ生まれの若い女性歌手。
マリエムはぼくと同じ58年生まれだから、ふた回り若いわけですね。
これまでEP扱いのダウンロード・アルバムが出ていましたが、
待望のフル・アルバムがフィジカル・リリースされました。

アシサはマリエム・ハッサンのような伝統的な歌手とは違って、
サハラウィの伝統的なメリスマやヴィブラートを使わないストレイトな歌いぶりを聞かせ、
ロック・シンガーと同じ資質を感じさせます。
曲にも伝統色はまったくなく、転調を含むコード進行などフォーク・ロックそのもの。
西サハラ独立闘争組織ポリサリオ戦線の拠点である、
ティンドゥフの難民キャンプで生まれ育ったというアシサは、
ぼくなどが想像も及ばない大変な人生を送ってきただろうことは間違いなく、
そんな育ちがロック的な感性と結びついたと思わせる歌声とサウンドです。

アシサは98年と01~03年に、マリエム・ハッサンと彼女のグループ、
レオアードの一員としてヨーロッパ・ツアーをしていますが、
マリエムのレコーディングには参加していないようで、
マリエムのアルバムにアシサの名前はありません。
そのかわり、『メデフ~サハラ、いにしえの唄』のタイトルで日本盤も出た
04年のヌベネグラ盤に参加していたほか、
西サハラのギタリスト、ナイム・アラルの03年作“NAR” にコーラスで参加しています。

Las Mujeres Saharauis.JPG

アシサのレコーディング・キャリアでおやと思ったのは、
マリエム・ハッサンをはじめとする西サハラの女性歌手たちが難民キャンプで録音したアルバム
“A PESAR DE LAS HERIDAS” の冒頭で歌っていた若い女性がアシサだったこと。
98年に出たこのアルバムは、西サハラの女性たちが
ディアスポラとしての望郷の歌声を聞かせた初めての作品で、
ぼくにとっても忘れがたいアルバムなんですけど、
あの1曲目が彼女だったとは、なんだか感慨深いものがあります。
ジャケットに写っているのも、ひょっとしてアシサかも知れません。

しわがれ声のアシサの歌はけっしてうまくありませんが、
歌への切実さにはただならぬものがあり、それが凄味のある説得力になっています。
この感覚は、マリエム・ハッサンとも共通するもので、
スペインでディアスポラとして暮らす今も、年に一度は西サハラへ帰るという、
アシサの立脚点がしっかりと伝わってくるアルバムです。
アシサが音楽を担当し、役者としても出演したという
昨年のスペイン映画“WILAYA” も観てみたいなあ。

Aziza Brahim & Gulili Mankoo "MABRUK" Reaktion RE24 (2012)
Las Mujeres Saharauis "A PESAR DE LAS HERIDAS" Nubenegra NN1033 (1998)
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