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ツァピキ・マン テタ

Teta  FOTOTSE RACINES ROOTS.JPG

マダガスカルには、個性的なサウンドを持ったギタリストを生み出す土壌があるんでしょうか。
独特のチューニングと奏法で国際的にも有名になったデ・ガリに続き、
新たな才能が南西部チュレアールのツァピキ・シーンから登場しました。

テタことクロード・テタは、67年マダガスカル南部の街、アンパニヒの生まれ。
ツァピキの中心地チュレアールから、140キロほど南に下った街です。
幼い頃からアコーディオン奏者の父やギタリストの兄弟とともに、
地方の祭りやダンス・パーティ、伝統的な冠婚葬祭でツァピキを演奏していたのだそうです。
テタのギターの腕前は、子供時分からずば抜けていて、
村人たちから「妖精の指を持ったギタリスト」と讃えられ、
大家族で貧しくもあったために、13歳で学業を捨て音楽で身を立てる決心をします。

88年に自分のバンドを結成して、マダガスカル南部じゅうに知れ渡るギタリストへと成長し、
やがて首都アンタナナリヴまで評判が届くようになります。
中央進出後はデ・ガリともたびたび一緒に演奏をしたり、
ジャズやブルースなどのミュージシャンとも演奏して、さまざまな音楽を学び取り、
自己のギター・スタイルを磨いていったようですね。
マダガスカルではすでに何枚かアルバムを出しているようですが、
ぼくがテタの名を知ったのは、今回のインターナショナル・デビュー作が初めてです。

このアルバムは、テタのアクースティック・ギターを前面に打ち出していて、
ゲストが加わる2曲を除き、テタの歌とギター以外、
相棒が操る小物打楽器だけというシンプルな内容。
レコーディングはチュレアールと、テタの生まれ故郷アンパニヒの西50キロにある、
アンツェポカという海沿いの町の家で行われています。
ジャケット写真の、質素な板張りの家の中でテタがギターを弾いているのが、
アンツェポカでのレコーディング風景と思われ、
ギターの響きともに波の音や機械音などが加わり、飾らない日常の姿が伝わってきます。

テタのギターは、ツァピキのトゥー・フィンガー・スタイルを基本としていますが、
その流麗なフィンガリングが奏でるメロディ・ラインやフレージングは相当に技巧的で、
泥臭いツァピキとはかなり手触りの異なる、洗練を感じさせます。
面白いのは、ゲストのアコーディオンが加わったツァピキ・ナンバーのごく一部で、
ナインスのコードを使ってモダンなセンスをちらっと聞かせるところ。
この曲以外で、ナインスなどのテンション・ノートはまったく使っていないので、
伝統的なツァピキ・ナンバーでモダンなフレージングを使う対比が、鮮やかな印象を残します。

また、どうしても鮮烈なギターばかりに耳が引き付けられてしまいますけど、
テタの野性味あるヴォーカルも魅力があります。
奔放なかけ声などエネルギッシュな面ばかりでなく、ストーリーテラーのようにじっくり歌ったりと、
幅広いヴォーカル表現を持つ奥行きのある歌いぶりを聞かせているんですね。
ツァピキの泥臭く粗削りな魅力は、テタの歌にこそあり、
タイトルどおり、テタの身体に染み付いたツァピキのルーツがにじみ出た一作となっています。

【お断り】 当初この記事は「ツァピク」と書いていましたが、
その後「ツァピキ」が一般的な読み方と判明したため、タイトル・本文を修正しています。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-06-07

Teta "FOTOTSE RACINES ROOTS" Balafomanga 860214 (2011)
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