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風に揺れるヴィブラート ハ・ヴィ

Ha Vy ME LA TINH YEU.JPG

ニュ・クインも霞む、すごい越境歌手と出くわしましたよ。
77年生まれ86年デビューという、ヴェテラン女性シンガーのハ・ヴィ。
いやあ、これまでまったく知りませんでした。
ニュ・クインと同じレーベル、トゥイ・ガから今年リリースされたアルバムは、
全編しっぽりとしたヴェトナム演歌に満ち溢れ、
1曲目からそのデリケイトな歌いぶりに思わず息を呑み、そのまま魂を持っていかれます。

繊細なヴィブラート使いといい、息づかいまで完璧にコントロールされた歌唱なのに、
歌い込みすぎているといった感じがしないところが、すごいですよ。
情感の込め方がハンパでなく、ハ・ヴィを聴いたあとにニュ・クインをかけたら、
えらくドライに聞こえてしまったくらいですからね。
胸の奥底にせつせつと迫る、情の細やかさを感じさせる歌ながら、
さらっとした軽さを失わず、さっぱりとした後味を残すのは、この人最大の魅力でしょう。

全曲バラードという、よっぽど歌える人じゃなきゃ、とてもじゃないけど持たない内容を、
最後までぐいぐいと耳を引きつけて放さないんだから、すごい実力です。
難点といえば、あまりに保守的なプロダクションでしょうか。
NHKの「新日本紀行」みたいなオーケストラ伴奏が、なんだかねえ。
もっとも打ち込み全盛のイマドキのレコーディングで、
これだけぜいたくにストリングスを使った伴奏も珍しく、
主役の歌の哀感を引き立てるためだけに徹した潔さという評価もありかもしれません。

風に揺れるヴィブラートが、たゆたうヴェトナム抒情を伝えてあまりあるアルバム、
この秋一番の感涙作ですね。

Hạ Vy "MẸ LÀ TÌNH YÊU" Thúy Nga CD11 (2011)
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