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アフリカをわがものにした日本人 タケオ、サカキマンゴー 

タケオ.JPGアフリカの太鼓や楽器を演奏する日本人は、
いまや珍しくありません。
ただし、その多くのプレイヤーは、
アフリカ音楽のコピーで満足していて、
アフリカ音楽をわがものとしたうえ、
自分の音楽を創造しようとする志を持ち、
それを実現しているミュージシャンとなると、
ほんの数える程度ではないでしょうか。
そんな一握りともいえる才能豊かな日本人二人の作品と、
たて続けに出会いました。

そのひとりは、タケオこと新倉壮朗。
サバールやジェンベを演奏する
すばらしいアフリカン・ドラマーであるとともに、
ピアノやマリンバの類まれな即興演奏家であることを、
ドキュメンタリー映画『タケオ』を観て、はじめて知りました。
http://www.takeo-cinema.jp/

映画に収められたタケオのパフォーマンスは圧倒的で、
スクリーンから伝わってくるエネルギーの密度の高さは、ただごとではありません。
アフリカ音楽のように、日本では一般的といえない外国の音楽を演奏する日本人は、
どこかテレや恥ずかしさを捨てきれず、
音楽への集中力を欠くところにいつも歯がゆさを感じるのですが、
タケオはその点で対極ともいえる、演奏やダンスへのすさまじいほどの集中力をみせ、
アフリカ音楽という巨像と対峙するのに申し分ない資質を、全身で表現しているのでした。

タケオの音へのセンシティビティや反射神経の良さは、アフリカン・ドラムよりも、
ピアノやマリンバのフリー・インプロビゼーションに発揮されていて、
将来は即興演奏家として大成していく才能なんじゃないかと思えます。
映画では説明がありませんでしたが、タケオのピアノやマリンバの即興演奏が、
もし彼の独学によるものだとしたら、疑いなく天才ですね。
アフリカ音楽にとどまることなく、大友良英やクリスチャン・マークレーなど、
実験音楽やアヴァン・ミュージックのミュージシャンとぜひ共演させてみたい逸材です。

サカキマンゴー.JPGそしてもうひとりは、親指ピアニストのサカキマンゴー。
今回の3作目は、ついに自身の音楽をモノにしたという
手ごたえを感じさせる快作となりました。
さまざまなリズムの実験や音響の試行錯誤、
さらにアフリカの親指ピアノのフィールドワークや研究を通して
鍛え上げてきたサカキマンゴーの音楽が、
練りに練り上げられた演奏となって結実しています。
1曲1曲熟考の上に作り込んだとおぼしき
痕跡をくっきりと残していながら、
その演奏がけっしてアタマでっかちでも、
息苦しさを感じさせないのは、
逞しく肉体化したリズムのしなやかさが生み出す、
開放感のおかげでしょうね。

今度の新作で、サカキマンゴーは音楽ばかりでなく、自身の歌も手に入れたなと感じたのが、
鹿児島弁で歌った「茶わんむしのクンビア」です。
この曲は、今後の彼のメルクマールになるんじゃないでしょうか。
サカキマンゴー最高作にして、アフリカをわがものとした、ポップにしてロックなアルバムです。

[映画] 常田高志監督 「タケオ -ダウン症ドラマーの物語-」 76分 (2011)
サカキマンゴー&リンバ・トレイン・サウンド・システム 「オイ!リンバ」 ヨカバンナ・アンリミテッド YKBN004 (2011)
コメント(5) 

コメント 5

halu

はじまして。
良い音楽を探してネットサーフィンしてたらたまたまこちらのブログにたどり着きました。
こちらで紹介されているCDはどれも聞いてみたいものばかりなのですが、どこで購入できるのでしょうか?
どこか良いお店やウェブサイトなどありましたら、是非ご紹介していただきたく、コメントいたしました。
ご返答いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
by halu (2011-09-13 00:20) 

bunboni

はじめまして。
東京・渋谷のエル・スール・レコード
http://www.elsurrecords.com/index.html
大阪・西心斎橋のプランテーション
http://plantationwebshop.com/
通販では
オフィス・サンビーニャ
http://www.sambinha.com/
アオラ・コーポレーション
http://www.ahora-tyo.com/
などがあります。
by bunboni (2011-09-13 06:37) 

常田高志 

映画「タケオ」についてお書きいただきありがとうございます。萩原さんが仰るようにタケオの集中力とリーダーシップ性は並はずれるものがあります。最近のタケオにはその力をよけいに感じます。そしてタケオは今が一番の絶頂期なのかとも思えます。私の望みはタケオに素晴らしいミュージシャンと競演させてやりたいと思います。タケオは若葉のように栄養を欲しています。(常田)
ps)タケオHPにこのブログの紹介とリンクさせていただきました(よろしかったでしょうか)。
by 常田高志  (2011-09-19 14:19) 

bunboni

映画冒頭のご自宅で撮ったホームヴィデオで、ピアノのそばにアンクルンと笙とトーキング・ドラムが置いてあるのに目を奪われました。
アンクルンやトーキング・ドラムがあるおうちなんて、そうはないはず。タケオくんは音楽的に恵まれた環境で育ったんだなと感じました。
タケオくんのこれからの成長は、音楽性をどれだけ豊かに広げていけるかにかかっているのでしょうね。そのためには、レベルの高い音楽家との出会いが何よりも必要で、彼にとって刺激となる出会いがあれば、底知れぬ才能の可能性は今後果てしなく広がっていくものと思います。
今が絶頂期どころか、これから才能が爆発するのを期待しています。
リンクはどうぞご自由に。
by bunboni (2011-09-19 14:49) 

常田高志 

荻原さま
タケオが音楽性を豊かに広げていくこと、良い音楽家との出会いが必要であることを私も痛感しています。映画「タケオ」からその出会いがあることを祈ります。(お名前間違え失礼しました)
by 常田高志  (2011-09-19 17:00) 

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