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『フェミニーナ』真贋小話 ジョイス

Feminina.jpg

おお! ついにブラジルでCD化された。

いわずと知れたMPBのエヴァーグリーンな名作、ジョイスの“FEMININA”。
これがブラジルで初の単独CD化といったら、意外でしょうか。
ところが、ホントにそうなんですよねー。
ブラジルでは93年に、“FEMININA” の次作“ÁGUA E LUZ” との2イン1が出たっきり、
単体のCD化はいつまでたっても実現しなかったんです。
ぼくは、オリジナル・フォーマット優先、本国盤主義というめんどくさい性分のため、
「2イン1」や「日本盤」ではナットクできず、ずーっと単独CD化を待ち望んでたんですよ。

そもそもぼくがジョイスを知ったのは、何がきっかけだったんだっけなー。
そうだ、エリス・レジーナの“ESSA MULHER”(79)でしたね。
ジョイスが作曲したアルバム・タイトル曲の素晴らしさに感激して、
セルフ・カヴァーを含むジョイスの新作がまもなく出るというニュースに、
待ち遠しく思ったのをよく覚えています。そうして手にしたのが“FEMININA” で、
オープニングのジョイスが弾くギターのバチーダ一発で、名盤と確信したものです。
あれからもう30年かあ。
あらためて聴いても、みずみずしさいっぱいで、まったく古くなりませんね。

“FEMININA” 以降のインディ作までは熱心に追っかけましたが、
CBS系のSBKに移籍してからのヴィニシウス集やジョビン集あたりで、
ぼくはジョイスから心が離れてしまいました。
でも、世間的にはその2枚でジョイスがブレイクしたのだから、皮肉なもの。
毎度毎度のこととはいえ、世間のトレンドと合わない自分を思い知らされます。

Feminina Bootleg.JPG

そんなわけで、ジョイスは“FEMININA” 一枚で十分なぼくなんですが、
実は6年前、ナゾの“FEMININA” のCDを手に入れたんです。
見つけたのは、家の近くの中古盤屋さん。小さな街のお店でまさかの遭遇だったのですが、
オリジナル・ジャケットどおりのデザインに、最初は「あー、日本盤ね」とか思いながら、
なにげに取ってみると東芝盤じゃない。
なぬ? ブラジル盤は出てないはずなので、頭の中が?????になったんですが、
トレイを開けてみたら、ブルーの星のレーベルが現われ、口あんぐり。
このデザインは、オデオン・レーベルが66~72年頃に使っていたもの。
レーベルに書かれているのはすべてポルトガル語で、CD番号はLP番号と同じ。
どっから見てもブラジル盤みたいなんですが、なんかオカシイ。
このアルバムは80年作なので、オリジナル盤のレーベルはブルーの星のデザインじゃないし、
そもそもブラジル盤CDで、このレーベル・デザインを使ったものなんてないはず。
それに、現在のレーベルのEMIのマークや文字がどこにもないというのもおかしい。
要するに、これは巧妙に作られたブートレグだったわけです。

それにしても良くできたブートレグです。
デザインはオリジナルLPのジャケットに忠実で、
バックインレイは曲目のみ通し番号にするなど、丁寧な修正が施してあります。
正規盤じゃないから、無粋なバーコードが付いてないってところもいいですね。

CDレーベルには1999年制作のクレジットがあり、
イギリスのDJブームでブラジル盤が人気を呼び、ブートレグが盛んに出た時期と一致します。
当時、ジョイスの76年作“PASSARINHO URBANO” や
オルランディーボの77年コパカバーナ盤のブートレグが出ましたが、
バックインレイはオリジナルLPの裏ジャケを、縮小コピーしただけのものでした。
バックインレイのデザインをこんな丁寧に作ったブートレグは、ジョイスのこのCDだけでした。

昔のオデオン・レーベルのデザインを採用するようなマニアックなこだわりも、
レコード・マニアらしい愛情にあふれていて、ブートレグといえど思わず目を細めてしまいます。
今回ようやくブラジルEMIから正規CD化されたわけですが、
このブートレグCDは、大事にとっておこうと思います。

Joyce "FEMININA" EMI 906771-2 (1980)
[Bootleg CD] Joyce "FEMININA" Odeon SMOFB422862CD (1980)
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