So-net無料ブログ作成
検索選択

日本のジャズ・コーラスの元祖 中野忠晴

中野忠晴.jpg

中野忠晴は、これまでも『日本のジャズ・ソング』や『服部良一 僕の音楽人生』などで
聴いてきたつもりでしたけど、ぜんぜんこの人の偉業がわかってませんでしたね。
今回CD2枚に集大成された『中野忠晴とコロムビア・ナカノ・リズム・ボーイズ』で、
ジャズ・コーラス・グループの草分け、中野忠晴の先見性をはじめて実感できました。

日本のジャズ・コーラスの名曲といわれる「山寺の和尚さん」も、
<服部良一の編曲>という括りで紹介されることが多く、
ジャズ・コーラスをはじめて前面にフィーチャーした中野忠晴への評価は、
低かったような気がします。

今回の復刻では、全46曲中半数にあたる23曲が、初CD化音源となっていますが、
なかでもドギモを抜かれたのが、1937(昭和12)年11月に発売された「皇軍万歳」。
タイトルどおり、軍国主義丸出しの歌詞なんですが、
作曲したのは、なんとハワイの作曲家ジョニー・ノーブル。
「フラワー・レイ」「フラ・ブルース」などを書いた、あのジョニー・ノーブルですよ。

ハパ・ハオレ、いわゆる通俗ハワイアンをたくさん書いたジョニーですが、
こんな曲を書いていたとは、オドロキです。
本人、こんな歌詞がついているのを、知ってたんでしょうか。
もしジョニーの曲に勝手に歌詞を付けたのだとしたら、ヒドいもんですが。
この4年後には、ジョニーのいるハワイが日本に奇襲攻撃されるんですからねえ。

アレンジがこれまた奇っ怪で、軍歌調のオーケストラ演奏に前後サンドイッチされて、
ジャイヴ・コーラスがハワイアン風な演奏にのって歌われています。
歌詞は帝国日本軍礼賛の内容でも、音楽はまるで軍をおちょくってるかのよう。
この曲が世に出た昭和12年って、どんな年だっけと調べてみたら、
盧溝橋事件で日華事変が勃発し、大本営令が公布され、
軍国主義的な統制がまさに加速されていた年でした。

中野忠晴のジャズ・コーラスは、戦争の機運が高まる34年に始まり、
日米開戦によってジャズが敵性音楽として排除される41年までの、ごく短い歴史で幕を閉じます。
ジャズ・ソングを自由に歌えるようになった戦後に、中野は歌手を廃業してしまったことも、
長きに渡って、戦前日本のジャズ・コーラスの存在が忘れられた理由のひとつだったのでしょう。

中野忠晴とコロムビア・ナカノ・リズム・ボーイズ  「中野忠晴とコロムビア・ナカノ・リズム・ボーイズ」 コロムビア COCP36178-79
コメント(2) 

コメント 2

t-42

う~ん!これは快挙ですね!
こんなのが発売されたなんて知りませんでした。
ジョニー・ノーブルは「皇軍万歳」は知らないのでは?
おそらく勝手に歌詞を付けたんだとわたしは思います。

次はレーベルを越えたあきれたボーイズのコンプリート集、
「あきれたボックス」ですね!

by t-42 (2010-06-15 17:45) 

bunboni

そーですよねえ。
こんな時期に日本人がジョニーに作曲を依頼したとは考えられませんもんねえ。
ビクター、テイチク、コロムビア共同企画の「あきれたボックス」に、
ザツオンブラザーズもお願いしたいですね!
by bunboni (2010-06-15 20:23) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
メッセージを送る