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忘れじのレコード屋さん その4 【アミナダブ】

SLP12.JPG   Sory Kandia Kouyate_SLP12.jpg

吉祥寺の芽瑠璃堂とともに中央線沿線のレコード屋さんで忘れられないのが、
高円寺のアミナダブです。
駅の南口を出て、中央線の高架沿いに環八方面に向かって少し歩き、
住宅街に入りかけた場所にあった建物の2階にありました。

妻の実家が高円寺にあり、先日も年始で訪れたさい、
かつてアミナダブがあった脇を通ったので、懐かしさが蘇りました。

もともとはブルースやシンガー・ソングライター系ロックの専門店だったのですが、
77年頃からアフリカやカリブのレコードを輸入するようになり、
いわゆる第三世界の音楽ファンを育てたお店になりました。
まだ「ワールド・ミュージック」はおろか、
「エスニック」なんて形容もなかった頃の話です。

レ・マスタフル・ダイチなどのヘイシャン・ミュージックを
日本で最初に輸入したのもアミナダブなら、
フランコやベンベヤ・ジャズ・ナシオナルなどの
アフリカン・ポップスを最初に輸入したのもアミナダブでした。
ぼくが持っているソノ・ディスク盤LPは、9割方アミナダブで買ったものです。
大学時代のバイト代は、アミナダブとディスコ・マニアで
ほとんど使い果たしたようなものですね。

「ミュージック・マガジン」の頭にまだ「ニュー」が付いていた78年9月号に
中村とうようさんが書かれた、「クンタ・キンテの故郷でいま聞こえる音楽」と
題するアフリカン・ポップスの紹介記事の最後にも、
「ソンガイ、ソナフリーク、シリフォンなどのレコードは
フランス経由で意外と安く入手できる。
高円寺のアミナダブに問い合わせてごらんになるとよい。」とあります。

当時アフリカやカリブの音楽に関する情報がほとんど無いなかで、
どこの国のレコードかすらもよくわからないままに、
ジャケットを睨み、カン頼りで買っていたわけです。
ネット時代の現在では考えられない、
非効率でリスクいっぱいのレコード・ハンティングなわけですけど、
こういうのが一番ワクワクするんですよね。
そうやって手探り状態で、ソリ・カンジャ・クヤテ、
ファンタ・ダンバ、タブー・レイを知り、
結果して、アフリカン・ポップス黄金時代の名盤を集めることができたのでした。

アミナダブが輸入していたのは、主にソノ・ディスクなどのフランス盤でしたけれど、
その後ケニヤから現地直送でレコードを仕入れることに成功し、
マンゲレパやマゼンベなどといった
ザイール(当時)の出稼ぎバンドの存在を知ることができました。
大学卒業間近のことだったから、81年の1月か2月の頃ですね。

う~ん、こうしてみると、日本でアフリカン・ポップス・ファンが生まれたのは、
まちがいなくアミナダブがあったおかげですね。

そんなアミナダブで買ったレコードで一番思い出深いのが、
ソリ・カンジャ・クヤテでしょうか。
当時ゴスペルもかなり聴いていたとはいえ、
ソリの声のケタ外れのパワーには圧倒されました。
はじめて聴いた時のショックがあまりにも鮮烈で、
サリフ・ケイタがソロ・デビューした時など、
門前の小僧ぐらいにしか聞こえなかったものです。
のちに、カラー写真・見開きジャケットのファースト・プレス(写真右)も見つけました。

[LP] Sory Kandia Kouyate "KOUYATE SORY KANDIA" Syliphone SLP12 (1971)
コメント(8) 

コメント 8

たろう

懐かしいですね。私は、今でアミナダブの2階へ上がる狭い階段が時々夢にでてきます。それほど、わくわくしながら訪問していたのでしょう。店の扉をあけて左側がアフリカのコーナーでしたっけ。あの頃買った、ソナフリーク、アフリカンなどのレーベルのレコードは今でも大切な宝物です。
小さなレコード店が、人生の一部になってしまうこともあるのですね。
by たろう (2010-01-12 21:30) 

bunboni

狭い階段が時々夢にでてくるなんて、アミナダブをよく知る人だからこその嬉しくなるエピソード、ありがとうございます。

たろうさんと当時お店で居合わせたことも、きっとあったでしょうね。
by bunboni (2010-01-12 21:53) 

t-42

アミナダブ、懐かしいですね!
その道のパイオニアだと思います。
ボラ・デ・ニエベの日本盤を買ったことが印象深いです。
こんなんお好きですか?と店長から聞かれたのを覚えてます。

81年というと、わたし高円寺に住んでましたよ。
西荻のティアホアナも懐かしいです。



by t-42 (2010-01-13 16:29) 

bunboni

高円寺にお住まいだったんですか。
ボラ・デ・ニエベはテイチク盤ですね。
アミナダブで買ったレコードで意外なものに、
川田義雄の『地球の上に朝がくる』があります。
76年に1300円の定価のままで買いました。
当時とっくに廃盤だったと思うんですけど。

ティアホアナにもいろいろ思い出があります。
水道橋から西荻に引っ越したんですよね。
次回のお題はティアホアナにしましょうか。
by bunboni (2010-01-13 21:52) 

Tommy

アミダナブのことを丁度調べていたらこのブログへアクセスしました。私は高校生、浪人時代(高円寺の中央ゼミナール)に本当によくかよいました。2階へ上がり、おもにRPCK系のレコードを良く購入しておりました。今でも思いだすのが紙袋です、デザインが良く出来ていましたね。はっきりと思い出せないのですが、もしかしたらハンブルパイのジャケット表紙だったのではと思います。
by Tommy (2015-07-28 00:23) 

bunboni

いまだにあの建物、外階段もそのまま健在です。
by bunboni (2015-07-28 07:23) 

きあっち

数日前 とうようさんを師と仰ぐ友の家に止まって 昔話に華を咲かせました。 ふっと懐かしくなり アミナダブをググったら ここに辿り着きました。 この記事の当時 店主夫婦と交代で店番していました。 弱小の店には レーベルの方からの情報も殆どなくて 注文するのもバクチでしたが ・・・ 。当時のお客さんと 今になってもこうしてめぐり合えたのは 感動です。 ちなみに 上のコメントにある 地球の上に朝が来る は 店主の愛聴盤の放出です。 商売っ気の薄い店だったので 相当な貴重盤でも3000円止まりだったように記憶してます。
by きあっち (2017-02-14 15:39) 

bunboni

なんと! あの『地球の上に朝が来る』は放出盤だったんですか!
1300円の定価どおりでしたよ。驚いたなあ。盤もピカピカで、そんなに針を落としてた形跡はぜんぜんなかったんですけれども。これはびっくりです。
懐かしい思い出の裏話、ありがとうございました。
by bunboni (2017-02-15 20:18) 

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